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#078_Sheep コーヒーを纏う
コーヒーカップがコーディネートの一部になる時代。ブルックリンのカートから出発し、評価額5億ドルに達したBlank Streetと、「Back to Starbucks」コンセプトのもとでブランド再生を図るスターバックス。規模も歴史も異なる2つのブランドが、なぜいまファッション・ウィークの最前線に立ちデザイナーとともに「カップスリーブ」を生み出しているのか。その背景には、手の届かない「It bag」に代わり、数ドルのドリンクに自己表現を託す消費者心理の変化がある。コーヒーが「最後のアクセサリー」として機能し、個人のアイデンティティを映し出す──その構造を読み解く。
#077_Sheep 都市とアーティスト
アーティストが街をつくり、街がアーティストを追い出す。この皮肉な連鎖は、この半世紀にわたり、SoHoからウィリアムズバーグ、そしてブッシュウィックへと舞台を変えながらニューヨークで繰り返されてきた。安い家賃を求めて移り住んだアーティストが街に新しい文化を生み、その魅力が人と資本を呼び込み、やがて彼ら自身を追い出していく。いま、その帰結としてニューヨークのアーティスト人口は数十年ぶりに減少へと転じ、ロウアー・イースト・サイドやチャイナタウンでは半数以上が姿を消した。ロフト法の歴史やコミュニティ・ランド・トラストといった新しい試みを手がかりに、都市とアーティストの共生関係、そしてジェントリフィケーションという都市の構造的ジレンマを読み解いていく。
#075_Sheep ソフト・パーティング
「パーティ」の目的が、静かに書き換えられている。朝のランクラブ、コーヒーショップのレイヴ、バーでの哲学講義、インクルーシブなダンスパーティ──世界各地で広がるのはアルコールも深夜も必要としない新たな社交スタイル「ソフト・パーティング」だ。その背景にあるのは、パンデミックとスマホ依存、インフレ、治安不安、アルコール離れが複合した逆説──「つながるためのツール」を使いすぎた結果、リアルにつながる能力が落ちたという皮肉な現実。「誰でも参加できること」「意味のある時間を共有すること」が新たな社交の基準となるなか、「社交スキルは意識して鍛えるもの=ソーシャル・フィットネス」という価値観のもとで、人々の集い方そのものが再定義されつつある。






