- The Rest Is Sheep
- Archive
- Page 4
Archive
#061_Sheep 摩擦と不便のコミュニティ論
現代社会では、テクノロジーと自己啓発が掲げる「摩擦ゼロ」や「利便性」、そして「Protect your peace(心の平穏を守る)」の文化が広がっている。しかし境界線を引くセルフケアが浸透する一方で、わずかな不快すら即座に切り捨てる風潮は、私たちを静かな孤立へと追い込んでいる。異質な人々が自然に混ざり合うテキサスのカラオケバー「Crossroads」や、コミュニティ空間を読み解く「3つのH」を手がかりに、社会的摩擦が生む癒しとつながりの力を考察する。少しの不便と健全な境界線の狭間にこそ、いま求められるコミュニティの種は芽を出すのだ。
#059_Sheep ナイーブなインターネットの終わり
SNS全盛の時代、私たちは長く「フォロワー数こそが影響力の証」だと信じてきた。だが今、その価値観が静かに崩れつつある。『It’s Cool to Have No Followers Now(いまやフォロワーがいないことがクールだ)』という挑発的な言葉を手がかりに、フォロワー至上主義の終焉、メディアの戦略転換、そして「近接性」や「ポスト・ナイーブ・インターネット」といった新しい時代のキーワードを読み解く。数字よりも関係、拡散よりも深度──私たちは、「遠くの誰か」より「近くの誰か」と濃密につながる、ポスト・ソーシャル時代の新たなメディア環境への移行期を迎えている。
#058_Sheep 「ラグジュアリー」はどこから来て、どこへ行くのか
2015年、ヴィクトリア&アルバート博物館は「What is Luxury?」という問いを掲げた。あれから10年、この問いはいまなお答えを持たない。かつての「Loud Luxury」はリーマンショック後に「Quiet Luxury」へと内面化したが 、パンデミックを経て、その欲望は再び「ともに生きる」利他性 、そして「ダークモード」的な解放へと複層化している。2025年のいま、バレンシアガの「Luxury」フーディを「Quiet Luxury」の女王グウィネス・パルトローが纏う光景が映し出すのは、矛盾と皮肉に満ちた現代のラグジュアリーの姿だ。私たちは今、何をラグジュアリーと呼び、何を求めているのか。
#057_Sheep リップスティック2.0
2025年春、トランプ政権の関税強化策をきっかけに、SNS上で「Recession Indicators(景気後退指標)」が話題となった。卵の価格からクラブのダンスフロアの混雑度まで、あらゆる現象が不況のサインとして語られ始めるなか、特にZ世代は、ローライズジーンズの流行やレディー・ガガの復帰までをも経済不安と結びつけ、ミーム化した。伝統的な「リップスティック・エフェクト」から、Z世代が再定義する「新しい小さな贅沢」——抹茶ラテ、リセール・スニーカー、機能性コスメ——まで辿りながら、景気指標として注目される消費現象の背後にある、より大きな世代的価値観のシフトを読み解く。






