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#034_Sheep エブリシング・エブリウェア・オール・オン・スクリーン(後編)
スクリーン上に集約された生活空間では、「遊び」と「労働」の境界が曖昧になる。SNSへの投稿や検索といった日常的な行動すら、見えない経済活動として機能してしまうのだ。無意識のうちに「働かされている」私たちの姿を、Amazon検索やInstagram投稿といった具体例をもとに可視化しながら、現代都市がいかにして「仕事」と「遊び」がグラデーションで重なり合う場所へと変貌したかを追う。「Everything Everywhere All on Screen」とは、都市の未来ではなく、すでに始まっている私たちの現在そのものである。
#033_Sheep エブリシング・エブリウェア・オール・オン・スクリーン(前編)
宿泊の枠を超えて日常のあらゆるサービスを取り込もうとするAirbnbの「Everything App」化は、私たちにリアルな体験を約束する一方で、そこにたどり着くまでにはこれまで以上にスクリーンと向き合わなければならないという矛盾を孕む。スクリーンなしでは現実の体験にたどり着くことができないという現実や、ChatGPTによる時間の「効率化」などの事例を手がかりに、スクリーンこそが現代人の生活の舞台であることを描き出す。デジタル体験と現実体験のねじれ、AIやSNSが引き起こすスクリーン依存のパラドックスを通じて、私たちの「いま」を読み解く。
#024_Sheep Simon & Schusterは「本のA24」を目指す
老舗出版社Simon & Schusterが変革に挑む。同社の旗艦レーベルの新たなトップ、Sean Manningは慣習となっていたブラーブ(推薦文)を廃止し、質の高い本作りと公平な文学環境を目指す。さらに「Bookstore Blitz」など著者の個性を活かした動画シリーズで、読者との新たな接点を創出。TikTokの「BookTok」成功に学び、従来の書評に頼らず自社発信のプロモーションを展開する。Manningの視線はNetflixやA24に向いており、出版社の枠を超え、本を「体験」として再定義する挑戦が始まった。