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Baa,Baa,Baa. | Week of Jan 19, 2026
【Weekly Picks】2026年のウェルネスを形作るテーマ
カルチャー、アート、テクノロジー、ビジネス、そしてデザインやライフスタイル、ファッションやメディア──日々、私たちの周りでは何が起きていて、それは一体どんな意味を持つのでしょうか。
The Rest Is Sheepの2人が刺激を受けたストーリーを、私たちならではの視点を交えてお届けします。
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🐏 Baa,Baa,Baa.
Weekly Headlines
2026年のウェルネスを形作るテーマ
2026年、リセール市場はどのように成長し続けるのか
小型版「Sphere」がメリーランド州に
リテール業界に広がる「ブランドカフェ」併設トレンド
ブランド成長パターンの変化
アメリカはピザへの愛を失いつつある
なぜ2016年に戻りたいのか?
1. 2026年のウェルネスを形作るテーマ
2026年のウェルネス市場は、特定の悩みに対処する「対症療法」から、身体を相互に繋がるシステムとして整える「ホリスティック(包括的)な調整(レギュレーション)」へと大きく転換する。栄養面では食物繊維が主役化。消化補助の枠を超え、ホルモンバランス、代謝、脳腸相関を支える栄養素として再定義され、プレバイオティクス飲料などの市場が急拡大している。また、経口薬の登場や低価格化によってGLP-1が更に普及し、それに伴う副作用や栄養不足を補うためのケアも一般化する。テック面では、ウェアラブル端末とAIを活用したパーソナライゼーションが加速。蓄積されたデータにもとづき個人の状態に最適化されたサプリメントや生活習慣の構築が容易になる(ウェルネスデータ・エコノミー)。一方で、デジタル疲れやストレスへの対策として、頭皮マッサージやリンパドレナージュといった「人の手」による癒やしや、対面でのコミュニティ体験、神経系を鎮めるデバイスへの需要も高まっている。さらに、現代人の課題である集中力低下を改善する「フォーカス(認知機能の最適化)」も重要なテーマに。2026年は、最新テクノロジーと古来の知恵を融合させ、極端な手法よりも持続可能で安定した健康状態を目指す一年となるだろう。
2. 2026年、リセール市場はどのように成長し続けるのか
リセール市場は2026年も拡大が確実視されている。アパレル分野だけでも、世界市場は2021年の1,410億ドルから2025年には2,560億ドルへと82%成長し、2026年には前年比12.5%増の2,880億ドルに達する見通しだ。この堅調な成長を支える要因は、大きく四つある。第一に、AIによる出品プロセスの飛躍的な効率化だ。出品者は商品の写真を投稿するだけで、AIがSKUやサイズ、状態を判別し、適正価格や商品説明まで自動生成する。これにより、従来は手間だった作業が省かれ、リセールへの参入障壁は大きく下がる。第二に、フットウェア分野の本格的な拡大である。未使用や状態の良い在庫が個人のクローゼットに眠りやすいこの領域では、2025年に売上が前年比80%増を記録。2026年には、より多くのシューズブランドが自社リセールプログラムに乗り出すと見られている。第三に、ライブショッピングの広がりだ。eBay Liveに代表されるリアルタイム型のオークションは、売り手の専門性や信頼感を可視化し、高額な時計やコレクターズアイテムの取引を活性化させる新たな販売チャネルとして存在感を高めている。そして第四に、環境規制の本格施行がある。カリフォルニア州の「繊維リサイクル法案(SB707)」などにより、ブランドはリセールを通じて製品の再利用を進めることで、廃棄に伴うコストを抑えられるようになる。結果として、企業主導のリセールは一部の先進事例から、業界全体のスタンダードへと移行していくと考えられる。
3. 小型版「Sphere」がメリーランド州に
ラスベガスの巨大没入型エンターテインメント施設「Sphere」の小型版が、米メリーランド州ナショナル・ハーバーに建設される計画が発表された。新施設は約6,000席規模で、巨大LEDディスプレイや特殊効果を備え、2023年に開業した約1万8,600席のラスベガス版と同様の体験型演出を売りとする。運営会社Sphere Entertainmentのジェームズ・ドーラン会長は、先進的な都市を結ぶ「Sphereのグローバルネットワーク」構想の一環と位置づけており、アブダビでも同様の小型版計画が進む。一方、ロンドンでは景観や交通、住民生活への影響が問題視され、2024年に計画が撤回された。建設予定地のナショナル・ハーバーは、ワシントンD.C.都市圏に位置するポトマック川沿いの大規模複合開発地区で、年間約1,500万人が訪れる観光・商業拠点だ。州政府はこのプロジェクトを、郡史上最大級の経済開発と位置づけ、建設段階で約2,500人、開業後には約4,750人の雇用創出、州および郡への数百万ドル規模の税収増を見込んでいる。資金面では、官民連携により約2億ドルのインセンティブが投入される予定で、メリーランド州議会は2027会計年度予算に1,000万ドルの運営助成金を盛り込み、公聴会を通じて是非を検討する構えだ。
4. リテール業界に広がる「ブランドカフェ」併設トレンド
このニュースレターでも過去に何度か取り上げているテーマだが、近年、ユニクロやCoachといった小売大手が店舗内にカフェを併設する動きが加速している。この背景には、単なる物販を超えた「体験型経済」への注力がある。カフェは顧客の五感を刺激して滞在時間を延ばすだけでなく、ブランドの世界観を深め、来店客数や売上の向上に直結する重要な戦略拠点となっている。ユニクロは日本文化の発信と顧客体験の向上を目的に掲げ、Coachは看板商品のバッグを模したスイーツを展開することでZ世代の支持を獲得し、導入店舗の売上を大幅に伸ばした。また、Louis VuittonやDior等の高級ブランドは、ミシュランシェフとの提携により、ブランドの美学を反映した没入型空間を提供。2014年から展開するRalpht Laurenや、無形の金融サービスを可視化する場として活用するCapital Oneなど、先行企業の成功もこの流れを後押ししている。パンデミックを経て、人々はリアルな場での体験をより強く求めている。今後は「ファッションとホスピタリティの融合」が一段と進む中で、単なる飲食提供にとどまらず、いかにブランドの独自性をデザインやサービスに昇華させ、他社と差別化できるかが成功の鍵となるだろう。
5. ブランド成長パターンの変化
レイ・イナモトは、現代においてブランドの成長様式そのものが、従来のマーケティング理論から大きく転換しつつあると指摘する。かつてのブランド構築は、「認知(awareness)→興味(interest)→検討(consideration)→購入(purchase)」というマーケティングファネルを前提に、感情的なストーリーテリングによって顧客を引き込むことを中心に設計されてきた。しかし現在、その前提はもはや機能しにくくなっている。実際、UNIQLOのラウンドミニショルダーバッグは、顧客がその実用性に気づくまで約2年間ほとんど注目されなかった。Stanleyの「クエンチャー」は大規模な広告キャンペーンなしに社会現象となり、Human Madeは最小限の従来型マーケティングで売上を6倍に伸ばした。OpenAIもまた、製品リリースそのものをコンテンツとして扱うことで、世界で最も価値あるブランドの一つへと成長している。これらの事例に共通するのは、感情的な物語ではなく、プロダクトそのものを起点に成長している点だ。そこでは、製品が発見され、使われる体験を通じて信頼が生まれ、顧客が自発的に語り、拡散する。その循環が結果としてブランドを強化していく。つまり、現代のブランド成長は「製品→体験→信頼→拡散→ブランド強化」というフライホイールによって駆動している。ブランドは先に語られるものではなく、体験の積み重ねから後追いで立ち上がる存在へと変わったのだ。イナモトの議論は、「ブランドはメッセージではなく体験で築かれること」、そして「信頼こそが新たな競争優位となること」を示す、ブランド概念そのもののパラダイムシフトを描き出している。
6. アメリカはピザへの愛を失いつつある
かつて全米外食市場で第2位の規模を誇ったピザ店は、いまやコーヒーショップやメキシコ料理店にその座を譲り、成長率もファストフード市場全体を下回る状況が続いている。背景にあるのは、デリバリーアプリの普及による選択肢の爆発的な増加だ。かつて「持ち帰りの定番」だったピザは、スマホ一つで世界各国の料理が届く時代において、相対的な優位性を失いつつある。加えて、1枚20ドル前後の価格帯は、5ドルの格安セットや冷凍食品、自炊と比べて割高に映り、消費者の選択から外れ始めている。こうした逆風の中でも、ピザ市場自体は依然として巨大で、年間売上は約310億ドル、毎日10人に1人が口にする国民食であることに変わりはない。ただし、その需要は若年層に偏り、店舗数も2019年をピークに減少へ転じた。業界内では明確な二極化が進み、Domino's Pizzaが値引き戦略でシェアを守る一方、Pizza Hutは大型ダインイン店舗という旧来モデルに苦しみ、8四半期連続の減収に直面している。Pieologyなど一部チェーンは、ついに破産申請へ追い込まれた。生き残りをかけ、Papa John'sは不採算店舗の整理、サイドメニューの拡充、焼成温度の統一による品質改善など、基礎からの立て直しを急ぐ。一方、California Pizza Kitchenは、ピザに依存しない本格的な着席メニューや小売展開を強化し、ブランドの再定義を試みている。「ピザは不変」という神話が揺らぐいま、問われているのは、安さでも量でもなく、あらためて「選ばれる理由」を提示できるかどうかだ。
7. なぜ2016年に戻りたいのか?
SNS上で2016年を懐かしむ投稿が急増している。ユーザーたちは当時の加工写真やファッション、アサイーボウルやスナップチャットのフィルターといった懐かしいコンテンツを共有している。この背景には、パンデミック以前の「ミレニアル世代的な楽観主義」へのノスタルジアがあるが、より本質的な理由はインターネット空間の構造変化にある。2016年は、Instagramが投稿の表示順を「時系列」から「アルゴリズム主導」へと切り替えた転換点。かつてのフィードは、友人の投稿が平等に可視化される民主的な空間だったが、現在はユーザーの滞在時間を延ばすための過度なキュレーションが優先されている。結果、SNSは親しい友人の近況を知る場から、広告やインフルエンサー、さらにはAIによる加工が施された「虚構の場」へと変貌。若者たちが2016年を熱烈に欲するのは、数字や他人の目を気にせず、ただ自由に投稿できていた時代への切望だ。このブームは、特定の年への憧れではなく、もはや存在しない「かつての親密なインターネット」に対する葬送の儀式と言えるのかもしれない
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