- The Rest Is Sheep
- Archive
- Page -22
Archive
#092_Sheep スーパーファン・エコノミー
テイラー・スウィフトのライブを追いかけて世界を飛び回る人々。推しのために何十枚ものアルバムを買い込むK-POPファン。そして、その熱量に乗ろうとするファッションブランドたち。いま「スーパーファン・エコノミー」が、一つの巨大な経済圏を形成しつつある。いつの時代にも存在した熱狂的なファンと、現代のスーパーファン現象は何が違うのか。テクノロジーが「場」を広げ、同時に孤独と断片化を加速させた逆説の中で、ファンダムはなぜ「意味のある共同体」として機能し始めたのか。スーパーファンを取り込もうとするブランドが直面する「ファンダム・リテラシー」の壁、熱狂が毒に変わるメカニズム、そしてAI時代に人間の熱量が希少になる逆説まで、スーパーファン・エコノミーの深層を読み解く。
#091_Sheep 棚の上のミシュラン
老舗バーガーチェーンの冷凍スライダーから、ミシュラン三つ星のパスタソースまで──業態も価格帯もまったく異なる飲食店の商品が、スーパーの棚を埋め始めている。外食ブランドがこぞって「パッケージ商品(CPG)」へと進出するこの流れは、パンデミックで加速し、インフレによる外食離れがさらに後押しした。だが、棚の上でやり取りされているのは「味」だけではない。その店を知っているという感覚──信頼であり、記憶であり、世界観だ。副業を超え、レストランの意味そのものを問い直すまでに発展したこの現象を入口に、外食と小売の境界が溶けていく時代の消費と体験の変容を探る。
#090_Sheep 気まぐれマキシングコンセプト
ボウ、リボン、フリル。朝のコーヒーにかけるスプリンクル、図書館でぶらぶらと選ぶ一冊、大切な人への手書きの手紙。一見バラバラなこれらのモノや行為が、いま「Whimsy(ウィムジー)」というラベルとともに広がっている。最適化疲れ、慢性的な不安、パフォーマティブなSNSへの疲弊──そんな時代に、人々はなぜ「非効率で、少し変で、意味がないように見えるもの」に惹かれるのか。ランウェイから日常の習慣まで、あらゆる場所に広がる「Whimsy」の背景を読み解いていくと、そこには特定のスタイルではなく、もう少し意図的に、もう少し生き生きと、そしてもう少し自分らしくありたいという普遍的な願いが見えてくる。あなたにとっての「Whimsy」とは何だろうか。
#089_Sheep ミレニアルズが夢の跡
2010年代、私たちは「倫理的な消費で世界を変えられる」と信じていた。サステナブルなスニーカー、透明なサプライチェーン、農家と直接つながるサラダ──意識の高いライフスタイルブランドたちは、テクノロジーと楽観主義を纏い、私たちのアイデンティティそのものになった。だが今、その旗手だったEverlaneはSheinに飲み込まれ、Allbirdsは崩壊し、Sweetgreenは迷走する。VC補助金が支えた「手頃で倫理的な夢」の実態、「免罪符」と「ブランド」を混同した罠、超高速スケールの論理と倫理・コミュニティの致命的なミスマッチ、そして楽観主義の跡地に広がる「Slop」の時代──ミレニアルライフスタイルブランドの終焉を解剖しながら、消費と価値観の変容を読み解く。




