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Baa,Baa,Baa. | Week of Sep 15, 2025
【Weekly Picks】Z世代のパーティ離れは本当か
カルチャー、アート、テクノロジー、ビジネス、そしてデザインやライフスタイル、ファッションやメディア──日々、私たちの周りでは何が起きていて、それは一体どんな意味を持つのでしょうか。
The Rest Is Sheepの2人が刺激を受けたストーリーを、私たちならではの視点を交えてお届けします。
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🐏 Baa,Baa,Baa.
Weekly Headlines
Z世代のパーティ離れは本当か
A24がブランドを音楽へ拡張
最高のアメリカン・ヴィンテージショップは東京にある
飽くなき抹茶需要にはダークサイドがある
Patagoniaは食の世界を変えられるだろうか
1. Z世代のパーティ離れは本当か
若い世代の飲酒量は20年前より10%減少し、社交の機会も減っているとされるが、彼らは独自の方法で楽しんでいる。マンハッタンのバーやクラブでは、日中に行われるワインレイブ、昼間のDJイベントなど、従来のクラブ文化とは異なる「ソフト・クラビング」が流行。Z世代は、ナチュラルワインや低アルコール飲料を好み、ウェルネス文化を反映した楽しみ方を求めるなど、社交の形が変化しているだけなのかもしれない。文芸イベントなども盛況で、Z世代は「ステイホーム世代(generation stay-at-home)」と言われつつも、積極的にリアルな繋がりを求め、複雑で楽しい社交生活を送っている。こうした多様なパーティー文化は、若者たちが自分らしい楽しみ方を見つけている証拠だ。
2. A24がブランドを音楽へ拡張
独立系映画スタジオA24が、これまで映画のサウンドトラック中心だった自社レーベル「A24 Music」で、南ロンドン出身のシンガーソングライターMark William Lewisと契約し、本格的に音楽事業へ踏み出した。2012年設立のA24は現在35億ドルの企業価値を持ち、映画にとどまらずテレビ『Euphoria』『The Curse』、脚本集の出版、オフブロードウェイ劇場の買収・再開、Apple TV+との契約など、多角的な展開を進めている。こうした動きは、同社が映画スタジオから総合カルチャーブランドへ進化している証だ。一方、ストリーミング時代のアルゴリズムが支配する音楽市場で、芸術性を重んじるA24のアプローチがどこまで通用するかは未知数。映画同様に独自性を貫く同社が音楽分野でもブランドの魅力を拡張できるか注目される。
3. 最高のアメリカン・ヴィンテージショップは東京にある
東京のヴィンテージショップが、アメリカの古着を愛する人々にとって特別な存在となっている。下北沢や高円寺、原宿には、本国よりも状態の良い’90年代のリーバイスやボーイスカウトの制服、大学スウェット、カウボーイブーツまで、米国のエフェメラが丁寧に並ぶ。アジアではアメリカの古着はステータスシンボルとされるが、特に東京での人気は1960年代に出版されたファッションバイブル『Take Ivy』以降、根強い。近年はTikTokの影響に加え、日本を訪れる観光客が増える中で「古着探し」が旅の目的の一つとなり、海外からの来店も急増。ヴィンテージは高級化し、キム・カーダシアンやファレルなどのセレブも足を運ぶ。日本の古着市場は、独自の視点でアメリカのファッションを再定義している。
4. 飽くなき抹茶需要にはダークサイドがある
私たちが抹茶について書いた後も続く抹茶ブームについての記事がまた一つ。現在の抹茶ブームは2010年代半ばからのウェルネス志向やSNS映えを背景に拡大し、2024年には京都の老舗「丸久小山園」の商品がTikTokで話題となり、観光客や転売業者の買い占めが価格を押し上げた。卸値は平均50%上昇、京都の競売では前年比300〜400%の高騰も起きている。伝統を守る小規模農家は効率化の難しさや職人の高齢化に直面し、政府の補助金も負担軽減には限界がある。欧米では本来の文化から切り離された「映える抹茶」が人気を集めるが、その需要は生産者や伝統製法に重いプレッシャーを与えている。
5. Patagoniaは食の世界を変えられるだろうか
Patagoniaは環境保護を理念に成長したアウトドアブランドだが、近年は食品部門「Patagonia Provisions」を通じて持続可能な農業と気候変動対策に取り組んでいる。2012年に始まった同事業は、当初70品以上を展開したものの、多くが売れず、現在は缶詰シーフードと穀物「カーンザ」を使ったクラッカーやビールにフォーカス。カーンザは多年生で根が深く、炭素吸収や水・肥料の節約に優れるとされる。Patagoniaは最大の買い手として市場を育て、Whole Foodsなどで販売を拡大している。再生型農産物市場は成長が期待されるが、衣料ブランドが食品を作るという消費者の違和感や競争の激しい棚での認知確立は容易ではない(私たちも今週書いた通り、Beyond MeatやImpossible Foodsも苦労している)。それでも創業者イヴォン・シュイナードは「農業こそ地球を救う」と語り、食を通じた環境再生に挑み続けている。
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