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#001_Sheep スタバとブックバーから考えるサードプレイスの未来
現代のサードプレイスを考える。スタバの理想と現実のギャップ、そしてBook Barのような新しい試みから見える、個人の嗜好に寄り添った居場所づくりの可能性。

“The Rest Is Sheep”は、デジタル時代ならではの新しい顧客接点、未来の消費体験、さらには未来の消費者が大切にする価値観を探求するプロジェクトです。
役に立つ話よりもおもしろい話を。旬なニュースよりも、自分たちが考えを深めたいテーマを――。
そんな思いで交わされた「楽屋トーク」を、ニュースレターという形で発信していきます。
🔍 Sheepcore
カルチャー、アート、テクノロジー、ビジネスなど、消費者を取り巻く多様なテーマをThe Rest Is Sheepのフィルターを通して紹介します。結論を出すことよりも、考察のプロセスを大切に。
スタバとブックバーから考えるサードプレイスの未来
🐏「初回のテーマがいまさらサードプレイスってことなんですが、そもそも我々もう何年ものあいだ決まったオフィスに通う、っていうスタイルの仕事してないですよね」
🐕「そうそう、ファーストプレイス以外は「その他全部」って感じで、いわゆるセカンドプレイスがないという(笑)。あちこちのコワーキングとか他人のオフィスとかカフェとかバーミヤンとか転々としながらどこでも仕事ができる」
🐏「バーミヤンだけ実名(笑)」
🐕「セカンドプレイスすら持たない我々に、サードプレイスって言われてもと(笑)」
🐏「でも、どこでも仕事できちゃうっていうのは逆になんかQoL低い気もしますね」
🐕 「そうなんです。「その他全部」のなかに、フォーマルな緊張感から開放されてリラックスしたり、心地良いぜー、って感じられるような場所がないと辛くないですか?」
🐏「たしかに、そうですよね」
🐕「どこかあります?仕事とか日常の煩わしいことからリリースされて、心地良い気持ちに浸れるような場所」
🐏「うーん、どうですかねー。XXにはがっつりお酒飲むつもりで行きますし、仕事の連絡とかまったく見ないぜって心意気で行きますけど(笑)」
🐕「あーXXときどき行かれてますよね。店員だけじゃなくてお客さん同士でゆるく会話したり、一緒に飲んだり。でも、それっていわゆるサードプレイス的な場所、ってことなんじゃないですか?」
🐏「そっか、ぼくらみたいにセカンドプレイスを持たないノマド人間にも、サードプレイス的な場所があるってことですね」
🐕「そもそもスターバックスがサードプレイスって言い始めてからだいぶ経つじゃないですか。でも、いまスタバに行くと難しい顔しながらヘッドフォンしてパソコンひらいてる人ですし詰め状態だわ平気でオンライン会議とかやってる人もいるわで、あれってほんとにサードプレイスなの?っていう(笑)」
🐏「完全ノマドじゃなくても、リモートワークとか組み合わせた働き方してる人は増えてますし、電源とWi-Fiがあるカフェなんてそんな人ばっかですよね。自分もそういう使い方してますが」
🐕「そうそう。だから、決まったファーストプレイスとセカンドプレイスがある前提でのサードプレイスっていうことじゃなくて、まあ全員ファーストプレイスはあるってことにしたとしても(笑)、その他プレイスがもうぐちゃっと曖昧化してる感じ」
🐏「ですね。でも、ファーストプレイス以外がぐちゃっと曖昧化してたとしても、サードプレイス的なサムシングは必要だってことですよね」
🐕「そうそう、だから、ファーストとセカンドがあって、そうじゃないサードプレイスが必要なんだ!ってことじゃなくて、ファーストプレイスじゃないパブリックな場所のなかに、仕事にもプライベートにも煩わされない心地よい空間を求める気持ちに変わりはない、ってことなんでしょうね」
🐏「はい、そして残念ながらいずれにしてもスタバはその観点では迷走してるんじゃないか、と」
🐕「ぼくはスタバは頑張ってると思いますけどね(笑)」
🐏「ちょっと待ってくださいよ!自分だけ手のひら返し(笑)」
🐕「はは(笑)。まあでも、スタバがだめならってわけじゃないんですが、最近ニューヨークでBook Barがすごく流行ってるみたいで、本屋とバーがくっついたような業態みたいなんですけど」
🐏「そのまんまですね(笑)」
🐕「はい(笑)。でもオーナーたちは本来スタバが目指していたみたいなサードプレイス的な場所にしようと頑張ってるみたいです」
🐏「静かに本を読めたり、でもちょっと飲みながら誰かと話せたり、新しい本との出会いもある」
🐕「スタバがもともと目指してたような心地よい空間っていうのを、ニッチな分野で再発明してる感じがしますね」
🐏「スタバがみんなのサードプレイスになる必要はなくって、人それぞれに嗜好にあわせたサードプレイスのかたちがあり得るって感じでしょうか」
🐕「ですね。そこに集まる人たちの心地よさとか、自然に交わされるコミュニケーションみたいなものがサードプレイスの本質だとすると、特定の業態で定義できるものじゃなさそうです」
🐏「だから、スタバみたいな大きなチェーンじゃなくてBook Barみたいな新しい場が生まれたり、ニッチごとにもっとローカルでパーソナルな場が出てくる感じがしますね」
🐕「ちなみに、Book Barのサイトとか見てておもしろかったのが、Book Club Barっていう店で出してるカクテルがMurder on the Orient Espresso Martini、オリエント急行の殺人エスプレッソマティーニ(笑)」
🐏「怖いですが、ちょっと飲んでみたいですね(笑)」

©️The Rest Is Sheep
🐏 Behind the Flock
“Sheepcore”で取り上げたテーマをさらに深掘りしたり、補完する視点を紹介します。群れの中に隠された本質を探るようなアプローチを志向しています。
1. ニューヨークにBook Barが続々とオープン
今年の8月にEater NYに掲載されたニューヨークのBook Barについての記事でも、Book Barのオーナーたちが、実用性よりも、コミュニティーの形成、つまりお酒やかるい食事を楽しみながら読書やおしゃべりができるサードプレイスを志向しているという指摘がされている。
2. 「Starbucksは何かを失ってしまった」—スタバ・ファンが感じる変化
「従来のスターバックスの体験とは、名前で呼ばれ、バリスタとフレンドリーに会話をし、おいしい飲み物をいただくことでした。15分も放ったらかされ、スタッフが忙しすぎて誰も話しかけてくれないとしたら、それは誰にとっても良い体験とは言えないでしょう」 こうした不満はそのまま、スターバックスの新CEOであるBrian Niccolの課題だ。かつて「サードプレイス」であることを標榜していたスターバックスは変わってしまったのだろうか。
3. ファストフード化するスターバックス
こちらはスターバックスに長年勤務する従業員からの視点で、彼は同社が「ほかとは違うコーヒーショップ」から「魂のないファストフード帝国」へと変貌を遂げてしまったと振り返る。人員削減、モバイルオーダーの急増、企業改革により、従業員は疲弊し、かつては強かった従業員ケアに対する評判も薄れてしまったという。
🫶 A Lamb Supreme
The Rest Is Sheepsが日常で出会った至高(笑)の体験をあなたにも。
世界のカクテル大会でチャンピオンに輝いた鈴木敦さんが監修した、新しいハイボールが登場!商品PRの映像がとてもユニークで、舞台は未来の東京「ネオ・トーキョー」。サイバーパンクな雰囲気がとてもクール。世界観も味も新しい発想で作られているようで非常に気になるプロダクト。世界チャンピオンのバーテンダーが作った新感覚のハイボール、ぜひ飲んでみたいですね!