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Baa,Baa,Baa. | Week of Feb 23, 2026
【Weekly Picks】離婚指輪がブーム
カルチャー、アート、テクノロジー、ビジネス、そしてデザインやライフスタイル、ファッションやメディア──日々、私たちの周りでは何が起きていて、それは一体どんな意味を持つのでしょうか。
The Rest Is Sheepの2人が刺激を受けたストーリーを、私たちならではの視点を交えてお届けします。
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🐏 Baa,Baa,Baa.
Weekly Headlines
離婚指輪がブーム
米国飲食業界の新たな潮流:変幻自在な「オールデイ・カフェ」モデル
商業施設に広がるプライベートクラブ
アルバムはなぜイベントになれないのか
フードデリバリーが食事の在り方を変えている
レストランがスピークイージーを併設する理由
なぜ今アメリカで韓国語が「クール」なのか
北米で急拡大するアジアンビューティーの旗手「Sukoshi」
スターバックス、ファッション業界との連携を強化
1. 離婚指輪がブーム
人生の節目を象徴する婚約指輪や結婚指輪。だが近年、英国では結婚の42%が離婚に至るとされるなか、その扱いに新たな選択肢が生まれている。古い指輪を売却したり手放したりするのではなく、ダイヤモンドを活かして仕立て直す「離婚指輪(Divorce Ring)」という発想だ。火付け役となったのは、エミリー・ラタコウスキーやレイチェル・ゾーらセレブリティたち。婚約指輪を大胆で現代的なデザインへと再構築し、SNSで公開したことで注目が集まった。背景にあるのは、離婚を失敗ではなく自己定義や成長の契機として捉え直す文化的な変化である。英国法では婚約指輪は贈られた側への「完全贈与」とされ、所有権は明確だ。過去を否定するのではなく、その記憶を今の自分にふさわしい形へと更新する試みだ。ブライダル色を排した彫刻的なデザインに変えることで、指輪は新しい人生の章を刻むシンボルへと姿を変えつつある。
2. 米国飲食業界の新たな潮流:変幻自在な「オールデイ・カフェ」モデル
現在、米国の飲食業界では、朝から晩まで営業する「オールデイ・カフェ」が、新たな経営モデルとして注目を集めている。かつてのダイナーと異なり、現代の店舗は時間帯によって店のアイデンティティを変化させる点が特徴で、朝はフランス風ベーカリー、夜はミャンマー料理店やフィリピン料理のコースを提供するなど、業態を柔軟に切り替えることで収益機会を拡張している。この背景には、パンデミック以降に加速したコスト高騰や外食頻度の低下があり、高級ディナー中心のビジネスモデルの持続が難しくなっている現実がある。ファインダイニング出身のシェフたちは、朝食や昼食といった日常的な利用シーンを取り込むことで来店頻度を高め、「特別な日の贅沢」ではなく「週に数回の習慣」として地域住民との関係構築を図る動きが広がっている。こうした低単価・高頻度型の営業形態は経営リスクを抑えると同時に、カジュアルな枠組みの中でシェフの文化的背景や創造性の発揮を可能にする。時間ごとに異なる顔を持ちながら地域の日常に溶け込むオールデイ・カフェは、近隣型レストランの持続可能な進化形として、アメリカの外食文化を再編しつつある。
3. 商業施設に広がるプライベートクラブ
アメリカの商業施設では、従来の大型小売店に代わり、富裕層向けのプライベートクラブが新たなアンカーテナントとして台頭しつつある。入会金数千ドル、月額数百ドルに及ぶ会員制クラブは、ダラスやマイアミといった富裕層都市にとどまらず、シンシナティやグランドラピッズなどの中規模都市にも広がりつつある。背景にあるのは「K字型経済」の深化だ。低所得層がディスカウント店へ向かう一方で、富裕層は会員制の高級空間における体験価値を求めている。こうしたクラブは高級レストランやワインバー、コワーキングスペースなどを併設し、週に複数回の来訪を促すことで滞在時間の長い顧客を生み出す。不動産オーナーにとっても、長期リースと安定した集客を見込める点で魅力的な選択肢であり、周辺テナントへの消費波及効果も期待される。コロナ禍以降、「安心して集える場」やコミュニティ需要の高まりも追い風となり、かつてショッピングモールが担っていた地域の社交拠点としての役割を、排他性と高級感を伴う形で再定義する動きとも言える。一方で、ソーホー・ハウス(Soho House)のように拡大路線が行き詰まる事例もあり、クラブビジネスは景気循環の影響を受けやすい。また、こうしたモデルはすべての商業施設に適合するわけではなく、長期的な持続性については慎重な見方も示されている。
4. アルバムはなぜイベントになれないのか
かつてアルバムの発売は一大イベントだった。2007年、カニエ・ウェストと50 Centが同日に新作をぶつけ合った対決は、メディアを巻き込んだ祝祭的なプロモーション合戦として記憶されている。しかしストリーミング時代の到来以降、アルバムを「文化的事件」へと押し上げることは格段に難しくなった。エイサップ・ロッキーはティム・バートンを起用し、SNLに出演し、ドレイクへのディストラックまで投下したが、『Don't Be Dumb』は瞬時にコンテンツの奔流へと吸収された。ザ・キッド・ラロイの新作も同様だ。ヒット曲や強力な物語を欠いたアルバムは、プレイリストの中で断片化され、消費され、瞬く間に更新されていく。もはやアルバムは「食事」から「メニュー」へと変質した。対照的に映画は、公開日という明確な到達点を中心に、映画祭、プレスツアー、バイラル拡散を積み重ねながら観客にFOMOを喚起する。「その瞬間を逃すな」という動機付けが成立する限り、映画は公開そのものをイベント化できる。しかし音楽は、所有という儀式を失い、無限供給のデータへと還元された。レコードの封を切る体験が消えた今、アルバムは更新情報に近づきつつある。作品とともに過ごす時間そのものが短縮されるなかで、音楽は静かに「使い捨て」の危機へと向かいつつある。
5. フードデリバリーが食事の在り方を変えている
2024年、米国のレストラン注文の約4分の3は店外で消費された。デリバリー利用世帯はパンデミック前の約2倍に増え、成人の約3人に1人が週1回以上利用するなど、フードデリバリーは日常の選択肢として定着した。多忙な共働き世帯やZ世代にとって、それは時間を買う手段であり、即時の満足をもたらす装置でもある。遠距離恋愛中のカップルが同じ料理を注文し、画面越しに食卓を囲む光景も珍しくない。だが、その便利さの裏で罪悪感も広がる。高額な手数料やチップによる家計負担、増え続ける包装ごみ、そして自炊から遠ざかる生活。配達員は1件2〜4ドルという低報酬で働き、非接触配達によって顧客との関係も希薄だ。研究では、サービス普及後に人々の調理時間が平均9%減少したことも示されている。手軽さは生活を軽くする一方で、食との距離を広げ、消費のあり方を変えつつある。私たちはいま、自由と引き換えに何を手放しているのかが問われている。
6. レストランがスピークイージーを併設する理由
シカゴのレストラン業界では、ディナー後に楽しめるスピークイージーを併設する店舗が急増している。背景にあるのは、食後に「次はどこへ行くか」と店を出てしまう顧客の動線を施設内にとどめ、滞在時間と消費機会を延ばそうとする合理的な判断だ。こうした「第二の空間」は収益源の多層化に寄与するだけでなく、均質化しがちなファインダイニング体験に変化を与える役割も担う。Matildaの地下にあるClandestinoはメキシコやペルーの食文化を紹介する社交クラブとして機能し、Class Actに併設されたNightcapでは四半期ごとのテーマにもとづく演出がゲスト同士の交流を促す。希少な素材やテーブルサイドの演出、詩的なメニュー表現といった要素を備えたカクテルは、味覚だけでなく物語や没入感を提供する体験の核となる。業界としては、食事そのものではなく、現実からの一時的な離脱(エスケイピズム)や記憶に残る一夜を求める消費者の期待に応えるべく、レストランは一晩の中に複数の体験を組み込む方向へとシフトしつつある。
7. なぜ今アメリカで韓国語が「クール」なのか
韓国のポップカルチャーへの熱狂を背景に、アメリカでは韓国語学習ブームが広がっている。映画『KPop Demon Hunters』のヒット曲「Golden」がグラミー賞4部門にノミネートされるなど、K-popやK-dramaを中心とする韓流(Hallyu)の影響力は拡大を続けている。同曲に韓国語が織り交ぜられていることもあり、歌詞を正しく理解したい、字幕なしで作品を楽しみたいという動機から語学学習へ踏み出すファンが増加。Duolingoでは韓国語学習者が前年比22%増を記録し、大学の韓国語講座の受講者数も急増している。2016〜2021年にかけて大学における外国語履修者全体が16%減少するなか、韓国語のみが38%の大幅な伸びを示した。ポップカルチャーを入口に歴史や政治への関心を深める学習者も現れており、この動きは単なる語学ブームにとどまらず、コンテンツ消費から文化理解へと向かう態度変化を映し出している。
8. 北米で急拡大するアジアンビューティーの旗手「Sukoshi」
カナダ発のアジアン・ビューティー小売チェーン「Sukoshi」が、米国市場での本格展開を加速させている。2025年初頭以降、ニューヨークやアトランタ、マイアミなどに6店舗を出店し、2026年には40店舗の新規開設を計画する。同社の特徴は、韓国コスメ(K-Beauty)に特化せず、中国や日本、さらにはタイなどのブランドまで横断的に扱う「Pan-Asian Beauty」という品揃えにある。TirtirやMedicube、Judydollといった人気ブランドに加え、米国未上陸のインディーズブランドも導入することで、SephoraやUlta Beautyといった大手との差別化を図る方針だ。2021年以降、米国ではK-Beauty人気が再燃し、アジア系美容品への需要が急拡大。これを受け、Sephoraが韓国の美容小売チェーンOlive Youngと提携し、Ulta BeautyもMedicubeやTirtirの独占販売を進めるなど、市場競争は激しさを増している。一方でSukoshiは、こうした動きがアジア美容全体の認知拡大につながると捉える。2008年にトロントでアジア系ライフスタイルショップとして創業した同社は、その後ビューティー専門へと転換し、2023年には韓国系化粧品卸Silicon2から出資を受けて成長を加速させた。肌診断機器の導入や専門知識を持つスタッフによる接客など、体験価値を重視した店舗づくりによって、ECとの差別化も図っている。
9. スターバックス、ファッション業界との連携を強化
スターバックスが、ブランド再生戦略「Back to Starbucks」の一環としてファッション業界との連携を本格化させている。文化的関連性(cultural relevance)の獲得を重視する同社は、ニューヨーク・ファッションウィーク(NYFW)に参加する新進デザイナー5組へ資金支援を行い、2026年秋冬コレクションの発表を後押しする。各デザイナーはコーヒースリーブのデザインを手がけるほか、今後は限定マーチャンダイズの共同制作も予定されている。NYFW期間中にはランウェイのバックステージやショールームにも展開し、モデルやスタイリスト、VIPなどにギフトカードを配布する計画だ。こうした取り組みは、汎用的なグッズ販売にとどまらず、ライフスタイルブランドとしての価値向上を図る狙いがある。その延長線上で、同社はこれまでもZac Posenによるロゴカラーのグリーンをモチーフにしたガウン制作や、Vera Wang、Farm Rioとのドリンクウェアの協業を実施。さらにミラノのスターバックス・リザーブ・ロースタリーでは、NordicaやK-Way、Poldo Dog Coutureと連携した「The House of Coffee」プロジェクト展開も進めている。
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