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Baa,Baa,Baa. | Week of Jan 12, 2026
【Weekly Picks】ロゴマニア2.0
カルチャー、アート、テクノロジー、ビジネス、そしてデザインやライフスタイル、ファッションやメディア──日々、私たちの周りでは何が起きていて、それは一体どんな意味を持つのでしょうか。
The Rest Is Sheepの2人が刺激を受けたストーリーを、私たちならではの視点を交えてお届けします。
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🐏 Baa,Baa,Baa.
Weekly Headlines
ロゴマニア2.0
フリクション・マキシング
寿司に夢中になる子どもたちと、悲鳴を上げる親たち
ブロンクスの巨大な魚市場が、一流のパーティー会場になろうと試みている
ハッピーアワーはどうなったのか
競馬ゲームのプレイヤーたちが日本の厩舎に押し寄せている
1. ロゴマニア2.0
近年、ロゴを前面に出したファッションは従来の高級ブランドのステータス誇示から、ニッチな所属や体験の共有を示すシンボルへと進化している。特にZ世代の消費者は、大手ブランドよりも地元のコーヒーショップ、滞在したホテル、地域のデザイナーなど、小規模ビジネスのロゴを好む傾向にある。この進化の背景にあるのは、消費者の価値観の変化だ。誰でも手に入れられるルイ・ヴィトンやグッチよりも、「その場所を知っている」「実際に足を運んだ」という個人的な体験や文脈、そして独自のストーリーに裏打ちされた関係性が重視されるようになった。ロゴはもはや単なるブランドの記号ではなく、共通の体験を持つ者同士を繋ぐ合言葉のような役割を果たしている。ビジネスの側面でも、宿泊業や飲食業などが展開するデザイン性の高いマーチャンダイズは、単なる記念品の域を超え、ブランドの世界観を補完する強力な収益源へと成長した。消費者はブランドに「認められる」のではなく、自らの意志でそのロゴを「支持」し、自らの体験を形に残すために身に着けている。現代のロゴマニアとは、消費を通じた自己表現とコミュニティ形成の新たな手段なのである。
2. フリクション・マキシング
現代のシリコンバレー的イデオロギーは、生活から「摩擦(不便さや労力)」を排除し、人々をデジタルへの逃避へと誘導している。私たちは読書、会話、移動、思考といった人間的行為を煩わしいものとして回避し、人生そのものから逃避するよう設計された環境に慣らされてきた。その結果、大人は幼児化し、子どもはフリクションと本当の苦しみの区別を学べないまま、テック企業の格好のターゲットとなっている。著者が提唱する「フリクション・マキシング(摩擦の最大化)」は、単なる脱スマホではない。他者との関わりや予測不能な現実といった「不便さ」への耐性を養い、そこに楽しみを見出す試みだ。具体的には、位置情報の共有を止めて対話で居場所を確認する、AIに頼らず料理本を開く、片付いていない家へ友人を招くといった、意識的な負荷の選択を指す。特に教育において、退屈や不自由という摩擦は不可欠だ。著者の子どもが読書を愛するようになったのは、ネット環境のない車での長旅の車中で退屈を味わい、本を能動的な逃避先として見出したことがきっかけになったという。思考や欲求に伴う摩擦を削ぎ落とすことは、人間性の放棄に等しい。2026年、利便性が人間を無力化する今、私たちは摩擦を通じて人間性の本質を見つめ直す機会を得ているのかもしれない。
3. 寿司に夢中になる子どもたちと、悲鳴を上げる親たち
現在「α世代」と呼ばれる世代の子どもたちの間で、ピザやチキンナゲットに代わり「寿司」が絶大な人気を博している。かつてはビジネスマンやセレブの食べ物だった寿司だが、冷凍技術の向上により身近な存在となったことで、今の子どもたちは生魚への抵抗感がなく、むしろ「ちょっと背伸びした気分になれる食」として好まれている。シャリに含まれる糖分や、回転寿司のエンタメ性も人気の要因だ。一方で、このブームにより、親たちの家計は圧迫されている。一回の外食で150ドルを支払ったり、6歳児のご褒美に95ドルの「おまかせコース」を予約したりする例も珍しくない。誕生日会でも、ピザの代わりに寿司職人を自宅に招くという贅沢なスタイルが定着しつつある。高額な出費に頭を抱える一方で、多くの親は「ジャンクフードより栄養価が高い」「好き嫌いによる献立の悩みから解放される」といったメリットも感じているが、かつてハッピーセットで満足していた親世代は、洗練された味覚を持つ我が子に驚きを隠せない。しかし、日々の育児における「心の平穏」を得るための投資として、高価な寿司代を受け入れているのが現代の親たちの実情だ。
4. ブロンクスの巨大な魚市場が、一流のパーティー会場になろうと試みている
ニューヨーク市ブロンクスのハンツポイント地区にある東海岸最大規模の水産卸売市場「フルトン魚市場」が、新たなイベントベニューとして注目を集めている。この市場は約400,000平方フィートの巨大な冷蔵施設で、年間を通じて摂氏約4度に保たれている。先日、魚商人たちによるストーリーテリングイベントが開催され、参加者たちは防寒着を着込んで会場を訪れた。ベテラン魚商人たちは、かつてマンハッタンのロウアー地区にあった旧市場での思い出を語り、賭博師や飲んだくれが集まる活気ある地域コミュニティへのノスタルジアを表現した。市場のCEOニコル・アッケリーナ氏は、夜間営業後の空き時間に施設をイベント会場として活用する可能性を探るための試みだと説明。多くのシェフや地域団体、職業訓練プログラムなどから施設利用の問い合わせがあり、今後はガラパーティーの開催も視野に入れている。市場の未来を模索する試みとして、古参の魚屋たちからも歓迎の声が上がっている。
5. ハッピーアワーはどうなったのか
かつてビジネス文化の象徴だった「ハッピーアワー」が、大きな転換期を迎えている。リモートワークの定着や企業の予算削減、さらには若年層を中心としたアルコール離れや健康志向の高まりにより、同僚と酒を酌み交わす習慣が世界的に衰退しつつある。この変化は、特にキャリア形成期の若手社員に深刻な影響を与えている。対面での交流が減ったことで、職場外での友人作りやメンターとの出会い、あるいは上司の人間性を知る貴重な機会が失われているからだ。一方で、ロンドンのようにパブ文化が根強い地域や、人間関係がビジネスの核となる出版業界など、依然として活発な交流が続く例外も存在する。また、こうした状況を受け、新たな形での交流を模索する動きも出ている。社内で軽食を提供する交流会を催したり、早めに退社する層に合わせて飲食店が開始時間を早めたりするといった工夫だ。形は変わりつつあるが、同僚と「人間として」深く繋がる場への需要は消えていない。
6. 競馬ゲームのプレイヤーたちが日本の厩舎に押し寄せている
日本の競馬をテーマにしたモバイルゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』が世界的な人気を博している。開発元サイゲームスが2021年にリリースして以来、日本語版ゲームはアジア全体で3000万ダウンロードを突破。今年6月の英語版配信後は国際的な注目を集め、12月には2025年ゲームアワードで最優秀モバイルゲームに選ばれた。このゲームは実在の競走馬を擬人化した「ウマ娘」を育成するもので、サイレンススズカやスペシャルウィークなど、過去半世紀の名馬100頭以上が登場する。プレイヤーはトレーナーとして、キャラクターの能力を高めながらレースに挑む。親会社サイバーエージェントの2025年第4四半期の売上は前年比19%増となり、ゲームの成功が貢献しているが、特筆すべきは、ゲームが競馬文化そのものに与えた影響である。かつてニッチだった競馬界の逸話が若い世代に広まり、海外からのファンが日本の牧場や競馬場を訪れるようになった。かつて「負け組の星」として親しまれたハルウララの死去の際には国外から多数の追悼メッセージが寄せられ、北海道の牧場へのクラウドファンディングは(この記事の時点で)6200万円以上が集まっている。サイゲームスはケンタッキーダービーのスポンサーやNetflixでのアニメ配信など、IPの多角展開を進めている。アナリストは、高齢男性中心だった競馬ファン層に若い世代を呼び込むこうした展開がゲームの持続的な人気の鍵になるだろうと分析している。
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