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#098_Sheep ぼくらが列に並ぶ理由
ニューヨークの街に増殖する「行列」は、単なる人気店のサインではない。TikTokやInstagramで可視化された行列は、社会的証明やFOMOを生み、それ自体が新たな需要をつくり出す「人気の装置」へと変わりつつある。一方で歩道を塞ぐ行列は住民や店にとって新たな負荷にもなり、「活気」と「迷惑」、「ダサさ」のあいだで揺れる文化的な論争も呼んでいる。待つ時間を他人に外注するサービスや、行列をリアルタイムで監視する仕組みまで登場するなか、私たちが本当に並んで手に入れているのは、味そのものより先に、「いま話題に参加できている自分」なのかもしれない。効率化が進む時代に、なぜあえて並ぶのか──歩道に伸びる人びとの列から、現代における熱狂と時間の格差の行方を読み解く。


“The Rest Is Sheep”は、デジタル時代ならではの新しい顧客接点、未来の消費体験、さらには未来の消費者が大切にする価値観を探求するプロジェクトです。
役に立つ話よりもおもしろい話を。旬なニュースよりも、自分たちが考えを深めたいテーマを――。
そんな思いで交わされた「楽屋トーク」を、ニュースレターという形で発信していきます。
🔍 Sheepcore
カルチャー、アート、テクノロジー、ビジネスなど、消費者を取り巻く多様なテーマをThe Rest Is Sheepのフィルターを通して紹介します。結論を出すことよりも、考察のプロセスを大切に。
ぼくらが列に並ぶ理由

©︎The Rest Is Sheep
🐏「お疲れさまですー」
🐕「あ、お疲れさまですー。なんか表参道からここに来る途中、すごい行列できてましたね」
🐏「あれ、何の店ですか?気になったんですけど、暑かったんで素通りしてきちゃいました(笑)」
🐕「同じくです(笑)。ベーカリーなのか、ドーナツなのか…とにかく商品より先に「列」が目に入りますね」
🐏「SNSとかで見た店に行くと、まず看板じゃなくて列が見えてきますよね。「あ、あの人だかりのとこじゃない?」って」
🐕「確かに、店名より先に「人だかり」で認識することが多い(笑)」
🐏「ラーメン、ドーナツ、おにぎり屋。日本人は並ぶの好きなイメージありますよねえ…」
🐕「あ、でもいま、ニューヨークも行列すごいできてるって聞きますよね」
※ 生成AIが客観的な視点でレビューしています🐏🐕
「行列」がニューヨークの風景になった
🐏「ニューヨークで?勝手に、みんなせっかちで、歩くのも早くて、待つのとか一番嫌いそうな街だと思ってました(笑)」
🐕「そのイメージ、すごく分かります。でもいま、その「go-go-go」な街で、立ち止まって並ぶこと──「stand-stand-stand」──が、ひとつの風物詩になってるんです」
🐏「へー、それは意外でした」
🐕「たとえばグリニッジ・ヴィレッジのMimi’sっていうフローズンヨーグルト店。店の入口から半ブロックくらい列が伸びて、さらに角を曲がって続くこともあるみたいで。NYUの学生によると、夜7時を過ぎると列がさらに4倍くらいになるんだとか。「ニューヨークでいちばんホットなクラブ」なんて呼ぶ人までいる」
🐏「え、半ブロックはヤバくないですか。単なるフローズンヨーグルトですよね?」

Mimi’s(Bloomberg)
🐕「そうなんです(笑)。グリーンポイントのCaffè Pannaも、開店5分前にはもう50人以上並んでるらしくて。ベビーカー押してる人もいれば、犬を2匹連れてる人もいるとか」
🐏「アイスクリーム一個のために、朝から赤ちゃんや犬を連れて並ぶ(笑)」
🐕「しかも周辺には、ベーグルのRadio Bakery、タコスのTaqueria Ramírez、ピザのChrissy’s、コーヒーのRhythm Zero、抹茶のKettl、カツサンドのTaku Sando…。とにかくいろんな店に列ができてる」
🐏「このジャンルだから行列ができてる、とかそういう話じゃなさそうですね」
🐕「そうなんです。極めつけは、アッパー・イースト・サイドの高級スーパー「Butterfield Market」。ロングアイランド発のドットケーキっていうカップケーキがTikTokで突然バズって、朝6時から行列ができるようになった」
🐏「カップケーキで朝6時から並ぶって、さすがに笑っちゃいますね(笑)」
🐕「Butterfield Marketはそれまで普通にドットケーキを仕入れていたんですよ。それが突然買えなくなって、フィラデルフィアから車で来る人まで現れた。店側はフローズンヨーグルトとドットケーキで列を分けて、スタッフを増やして、歩道の交通整理まで始めたそうです」
🐏「すごいな……。もう「人気商品を売る」っていうより、「行列を運営する」仕事になってますね(笑)」

Butterfield Market(Curbed)
🐕「実際、ニューヨークの行列を追いかけて記録してるサイトまで登場してて。2025年9月に始まったクラウドソーシング型の行列トラッカーは、すでに800件以上の行列を記録してるみたいです」
🐏「色んな人が各店舗の行列の状況をアップするってパターンですね。」
🐕「はい。行列そのものが観察する対象になってる」
🐏「もうニューヨークの日常っていうか、都市の風景ですね」
可視化される人気
🐕「はい。でも、そもそも行列って、そこに居合わせた人だけが目撃する「ローカルな需給の不一致」だったわけじゃないですか」
🐏「はい。さっきみたいに、通りすがりの人が「何の列だろう」って思うくらいですよね」
🐕「でも今の行列は、TikTokやInstagramで撮られて、その映像がさらに拡散される。しかも、映っているのは商品だけじゃない。「これだけ人が並んでいる」っていう光景そのものがコンテンツになる」
🐏「商品より、行列のほうが先にバズることもある、と」

Culture frozen yogurt(Curbed)
🐕「実際、アムステルダムでフード系の行列に並んでた観光客を対象にした調査だと、84%が、並ぶ前にすでにその行列の動画をTikTokで見ていたそうです。Instagramも54%」
🐏「ほとんどの人が、並ぶ前にその行列を見てる(笑)」
🐕「行列を見て、店に行って、そこでまた行列を撮って、SNSに投稿する。すると、その投稿を見た別の人がまた来る」
🐏「行列が行列を呼ぶ(笑)」
🐕「まさに。行列が、人気の「結果」であるだけじゃなくて、人気をつくる「原因」にもなってるんです」
🐏「昔は人気を映す鏡だったのが、いまは人気をつくるエンジンになってる」
🐕「そういうことです。ここで出てくるのが、「Social Proof(社会的証明)」っていう考え方で──簡単にいうと、人は自分だけでは価値を判断しきれないとき、他人の行動を判断材料にするってことですよね。たとえば、知らないレストランが二軒並んでて、一方だけ30人並んでたら、「こっちのほうがおいしいのかな」って思いますよね(笑)」
🐏「確かに。メニューを見る前に、もう答えが出ちゃう」
🐕「実際、ペンシルベニア州立大学の研究でも、店の前に行列があること自体が、「この店は人気がある」「ここなら待つ価値がある」っていうシグナルとして働くことが確認されています」
🐏「つまり、行列を見た人が、「こんなに並んでるなら、何かあるんだろう」って判断する」
🐕「そして、その人がまた列に加わる。すると、列がさらに長くなる」
🐏「……行列、自己増殖してますね(笑)」
🐕「そうなんです。しかもSNSが、その自己増殖を街の中だけじゃなく、スマホの中でも起こしてしまう」
🐏「なるほど。「人気だから並ぶ」だけじゃなくて、「並んでいるのを見たから人気だと思う」っていう逆回転が起きてる」
🐕「まさにそこが、昔の行列との大きな違いなんですよね」
並んでるから、行きたくなる
🐏「まあでも、SNSで見たからって、すぐあの行列に並ぶかっていうと…」
🐕「並ばないですよね(笑)。でも、行列はお店の魅力や信頼性をシグナルすると同時に、FOMO的な感情もくすぐるんでしょうね」
🐏「Fear of Missing outでしたっけ?取り残されることへの恐怖」
🐕「自分だけ知らない。自分だけ行ってない。自分だけその瞬間にいない。そういう「乗り遅れたくない」っていう感覚ですね」
🐏「単純に「おいしそう」「食べてみたい」とは違う」
🐕「違います。いま何が起きているのかを知っていて、その渦中に自分もいる。言ってみれば、「話題の中心にいる権利」を買いに行く」
🐏「ああ。だから、行列の先にあるフローズンヨーグルトそのものより、「この店に並んだ」ことのほうが重要になってくる」

Myka Greek Frozen Yogurt(Curbed)
🐕「実際、さっきの行列トラッカーを立ち上げたケイトリン・ゾーも、「人はマッチャやシナモンロールだけを買っているのではなく、その瞬間の一部になれることを買っている」っていう趣旨の話をしています」
🐏「モノというより、トレンドとの接続を買ってる」
🐕「ですね。しかも、おもしろいことに、並ぶという行為にはもう一つ効果があって」
🐏「まだあるんですか(笑)」
🐕「「Physical waiting」、つまり実際に身体を使って待つことで、消費そのものが変わる可能性があるんです。2025年の研究では、オンラインの順番待ちより、実際に列に並んだ人のほうが注文額が大きくなる傾向が確かめられてます」
🐏「「こんなに待ったんだから、もうちょっと食べよう」みたいな?ちょっと分かる気がします」
🐕「まさに。それに近い心理です。せっかく時間を使ったんだから、その努力に見合うものを得たい、っていう気持ちが働く」
🐏「行列そのものが、消費を増やしてるんですね」
🐕「そう考えると、行列って単なる「待ち時間」じゃないんですよね。そこに期待、FOMO、社会的証明、自己正当化、いろんなものが全部乗ってくる」
🐏「なるほど…」
🐕「しかも、不思議なことに、本来なら店側は、できるだけ待たせないほうが良いはずなのに、行列そのものが店の価値を高め始めてるという…(笑)」
🐏「ああ。待たせることが、マイナスじゃなくて、場合によってはプラスになる」
🐕「そうなんです(笑)」
活気なのか、迷惑なのか、それともダサいのか
🐏「仕組みは分かりましたけど…でもこれ、近所に住んでる地元の人からしたら、たまったもんじゃないですよね(笑)。歩道は塞がるし、うるさいし」
🐕「はい。そこなんです。行列が「人気の証明」になる一方で、その人気が街の日常を圧迫し始めている」
🐏「人気が出たこと自体が、問題になる」
🐕「そう。たとえばウエスト・ヴィレッジのApollo Bagelsは、あまりに行列が長くなって、一時は立ち退き寸前まで追い込まれました。イースト・ヴィレッジでは、行列に疲れた近隣住民が、店の前に並ぶ客に水をかけたという出来事まであった」
🐏「行列が「迷惑施設」化してる(笑)」
🐕「店側も、お客さんがたくさん来て必ずしも喜んでるわけじゃないんですよね。さっきのButterfield Marketのオーナーは、行列を見るのが嫌だと話してるし、Caffè Pannaのオーナーも、行列が激しくなってから毎日のように苦情のメールが来るとこぼしてます」
🐏「人気の証拠なのに、人気すぎると困る」
🐕「そこがすごく現代的なんですよね。Caffè Pannaでは、以前は1週間で400個ほど売っていたマンゴースティッキーライスのサンデーが、ある時期には4日足らずで6,000個売れた。店は手作りだから、需要に合わせて工場みたいに生産量を増やすこともできない」
🐏「SNSって、需要だけは一瞬で何十倍にもできますからね」
🐕「はい。しかも行列を巡ってカルチャー的なマウントの取り合いまで起きてて(笑)。あるポッドキャスターは、行列に並ぶなんて「déclassé」、つまり野暮ったい、ダサいと(笑)」
🐏「「また観光客やミーハーがTikTokに踊らされてるよ」みたいな(笑)?」
🐕「まさに(笑)。昔のニューヨーカーからすると、行列は「仕方なく我慢するもの」であって、「自ら選ぶもの」じゃなかったわけです」
🐏「たしかに、ニューヨークって「並ぶくらいなら別の店に行く」みたいなイメージありますもんね」
🐕「ちなみに、生粋のニューヨーカーは「列に並ぶ」っていうときに「in line」じゃなくて「on line」って言うらしくて、この言い方一つだけで「お前らニューヨーカーじゃないだろ」とも(笑)」
🐏「行列がローカル・アイデンティティの話になってますね(笑)」
🐕「そうなんです。行列は、活気の象徴にもなるし、迷惑にもなる。さらに「ダサい」「ミーハー」って文化的なラベルにもなる」
🐏「でも、それってちょっと他人事じゃないですよね」
🐕「っていうと?」
🐏「「あんな行列に並ぶなんて」って笑ってる人も、別のところでは、SNSを見て何かに乗り遅れたくないと思ってるかもしれない」
🐕「ですね。実際、行列に並ぶ人を擁護する声もあります。あるSubstackのライターは、「行列に並ぶ人を鼻で笑うのはおかしい、読書も行列も、結局は限られた人生の時間の使い方の一つに過ぎないんだから」と」
🐏「たしかに。読書なら高尚で、フローズンヨーグルトならくだらない、っていうのも変な話ですもんね」
🐕「「時間の使い方」に正解があるわけじゃない」
🐏「まあ、ぼくはフローズンヨーグルトに40分使うくらいなら、家でNetflix見ますけど(笑)」
待つことを外注する、という新しい市場
🐕「それも立派な時間の使い方ですよね(笑)。そしてその「時間」の価値が人によって、また状況によって非対称であるからこそ、そこに「待つ/待たない」をめぐる新たな格差と、それを解決する奇妙なビジネスが生まれているんです」
🐏「ビジネス?行列をスキップするためのビジネスですか?」
🐕「ですね。最も有名なのが、2012年に立ち上がった、プロの行列並び代行サービス「Same Ole Line Dudes」です。店に早く行って、レストランの待ちリストに名前を書き込む代行が55ドルから、時間制の行列待ち代行は1時間25ドルで、最低でも2時間分50ドルから、っていうメニューで」
🐏「まさかの職業として成立してるんですね(笑)」
🐕「日常の雑用や家事をしてほしい人と、空き時間で作業をしたい個人(タスカー)を結びつけるマッチングサービス、TaskRabbitでも行列待ちの依頼件数が増えてて。ニューヨークだけで4,900人以上の「行列待ちタスカー」が登録されてるらしいです(笑)。時給は全米平均で28〜90ドル」
🐏「「待ちたくない人」も増えてるし、「代わりに待つ人」も増えてるんですね(笑)」
🐕「あと、行列そのものを遠隔監視するサービスも生まれてます(笑)。最近話題の「Damn Lines」っていうサイトは、人気店の入口を見渡せる場所に住んでる住民にお金を払ってウェブカメラを設置してもらって、リアルタイムで行列の長さを配信してるんです。AIが人の出入りを追跡して、待ち時間まで予測してくれる」
🐏「監視カメラで行列を攻略する時代(笑)」

Damn Lines(The New York Times)
🐕「バーチャル順番待ち──顧客が直接または遠隔で順番を登録し、自分の順番が近づいた時点で来店できるようにする仕組み──の市場規模は、2025年時点で約6.6億ドル、2034年には12.7億ドル規模まで成長すると予測されてます。立派な成長産業ですよ」
🐏「待つことを外注する市場と、監視を外注する市場、両方が同時に育ってるってことか」
🐕「ただ、おもしろいのは、こういう便利な仕組みが揃ってもみんなが使うわけじゃないってことですよね。マイアミのあるBBQ店のオーナーは、デジタルの順番待ちシステムを用意して宣伝までしたのに、客はあえて列に並びたがるって言うんです。「解決できない行列に並ぶこと自体が、一種のステータスバッジになってる」と」
🐏「行列が人気を生み、人気が不便を生み、不便を解消するビジネスが生まれる。でも人はやっぱり自分の足で並びたがる(笑)」
🐕「効率化のテクノロジーが進化しても需要が消えないどころか、むしろ「並ぶプロセスそのもの」に価値が宿るという、不思議な均衡ができているんです」
ぼくらが列に並ぶ理由
🐏「結局のところ、ぼくらは何に並んでるんでしょうね(笑)」
🐕「行列が売ってるのって、味そのものより先に「社会性」なんですよね。フローズンヨーグルトやカップケーキが欲しいっていうより、「いま話題の場所に、自分の身体で参加した」っていう実感が欲しい」
🐏「街で今なにが流行ってるかを知っていて、そこに自分もいる」
🐕「はい。トレンドの輪の中にいる安心感を買ってる。しかも行列って、いわば「民主化されたステータス」なんですよね。予約困難な高級店にはお金やコネが必要ですけど、行列は表向き「時間さえ出せば誰でも参加できる」。まあ、裏を返せば「時間を差し出せる人が有利」っていう新しい格差でもあるんですが」
🐏「でも、その時間の格差をお金で解決しようとする人も出てくる(笑)」
🐕「はい。皮肉なことに、行列を「ダサい」ってバカにする人ほど、その人気の果実──映えるフードや話題性──だけは欲しがってたりする(笑)。だから自分では並ばずに代行を雇ったり、監視カメラで隙を狙ったりするんでしょうね。現代人は「摩擦そのものは嫌いなのに、摩擦が生み出す価値は手に入れたい」っていう強い自己矛盾を抱えているんです」
🐏「効率化したい自分と、熱狂に参加したい自分が、せめぎ合ってる(笑)」
🐕「でも、それでもあえて自分の足で並ぶ人が絶えないのは、デジタルで何でもワンクリックで済む時代だからこそ、時間をかけて並ぶっていう「アナログな摩擦(frictionmaxxing)」が、逆に貴重な体験に感じられるからなのかもしれないですね」
🐏「普段は「効率が悪い」「時間の無駄」って言われることが、貴重な「体験」になる。とても現代的(笑)」
🐕「ですね(笑)。「待つこと」が消費の邪魔をするのではなく、「待つこと」そのものが消費の一部になってる」
🐏「そう考えると、行列を消す技術はどんどん進化しそうなのに、行列自体はなくならない気がしますね」
🐕「はい。オンラインで順番を取る。AIで混雑を予測する。誰かに代わりに並んでもらう。でも、そうやって「待つこと」を効率化すればするほど、「自分で並んだ」っていう体験は、逆に希少になる(笑)」
🐏「行列って「解決できない不便なもの」として残り続けるんじゃなくて、「不便であること自体に意味があるから残る」のかもしれない(笑)」
🐕「すごい、なんかかっこいい言い方(笑)」
🐏「…でも、ぼくはやっぱり並びたくないですね(笑)」
🐕「あはは(笑)」
🐏「不便ですもん(笑)」
🐕「それも変わらない真理です(笑)」
🐏 Behind the Flock
“Sheepcore”で取り上げたテーマをさらに深掘りしたり、補完する視点を紹介します。群れの中に隠された本質を探るようなアプローチを志向しています。
1. ニューヨークの新名物:行列
ニューヨークではいま、アイスクリームやフローズンヨーグルト、パンなど、街のあちこちで長い行列ができている。TikTokなどSNSでの拡散とFOMOが背景にあり、Caffè PannaやMyka、話題のDot Cakeには連日多くの客が並ぶ。「本物のニューヨーカー」を自認する層は行列を冷ややかに見る一方、リモートワークの普及で平日でも時間に余裕のある人が増えたことに加え、高額なブランド品と比べれば数十ドル程度で楽しめる「手頃なご褒美」としての魅力もあり、行列に並ぶこと自体が友人とおしゃべりしたり気晴らしをしたりする交流の場になっている。せかせかした都市のイメージとは裏腹に、あえて立ち止まり待つことが、今シーズンの新たな流行として定着しつつある。
2. ウェブカメラはニューヨークのレストランの行列問題を解決できるか?
ニューヨークの人気飲食店で深刻化する行列問題に対し、リアルタイムの混雑状況を映像で確認できるサイト「Damn Lines」が登場した。ソフトウェアエンジニアのLucas Gordonが立ち上げ、現在はウェストビレッジの4店舗を対象に、店を見渡せる住民宅の窓にカメラを設置し、今後も対象店舗を拡大していく予定だ。ライブ映像に加え、過去の混雑データや行列が落ち着いたタイミングの通知も提供する。SNS、特にTikTokの影響で一部の店の行列は常態化し、近隣住民との摩擦や、立ち退きを迫られるといった営業上の問題も生じている。店にとって行列は集客の証である一方、長すぎれば新規客や常連客を遠ざけかねない。もっとも、行列を見ても来店の予定を変えないという客の声もあり、可視化がどこまで効果を持つかは、店や客の受け止め方次第といえそうだ。
3. 行列待ち代行がギグワーカーの最新トレンドに?
「Line sitting(行列待ち代行)」が、SNS時代の新たなギグワークとして広がっている。ニューヨークではTikTokで話題のドットケーキや人気レストランを求め、早朝から数時間にわたって列に並ぶ仕事が成立するようになった。約15年にわたりこのサービスを手がけるSame Ole Line Dudesでは現在およそ35人が稼働し、料金は1時間25ドル(最低2時間)からで、急ぎの依頼や悪天候時には割増が加わる。TaskRabbitなどのフリーランス系プラットフォームでも行列待ち代行の依頼は拡大しており、ニューヨーク市だけでも4,900人以上がタスカーとして名を連ねる。依頼者が代行者に求めるのは丁寧な連絡や時間厳守、商品を大切に扱う姿勢であり、代行者はこうした信頼の積み重ねによって仕事を得ている。人気店の多くはこの慣習を受け入れる一方、一部の高級店では代行の利用に消極的な姿勢を見せる。デリバリーサービスの浸透により行列待ち代行ビジネスの需要は多少変化するものの、SNS発のトレンドが次々と生まれる大都市では、話題の行列そのものが尽きることはない。行列文化が可視化・経済化されたことで、並ぶという行為そのものが、いまや対価を伴うひとつの仕事として定着しつつある。
🫶 A Lamb Supreme
The Rest Is Sheepsが日常で出会った至高(笑)の体験をあなたにも。
今週もお休みです 🐏
すべての誤字脱字は、あなたがこのニュースレターを注意深く読んでいるかを確認するための意図的なものです🐑
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