- The Rest Is Sheep
- Posts
- #048_Sheep 失われた夏を求めて
#048_Sheep 失われた夏を求めて
2019年の「ホットガール・サマー」から始まった現代的な「◯◯サマー」現象。毎年夏になると、その年を象徴するキーワードが生まれ、SNSを通じて爆発的に広がってきた。2022年の「ミニオンズ・サマー」、2023年の「バーベンハイマー」、2024年の「ブラット・サマー」——映画や音楽をきっかけに、ブランドも巻き込んだ社会現象。私たちはなぜ夏に「テーマ」を求めるのか?多様化した現代社会で共通体験を渇望する心理と、2025年の「ブレインロット・サマー」が示す文化の現在地を分析する。

“The Rest Is Sheep”は、デジタル時代ならではの新しい顧客接点、未来の消費体験、さらには未来の消費者が大切にする価値観を探求するプロジェクトです。
役に立つ話よりもおもしろい話を。旬なニュースよりも、自分たちが考えを深めたいテーマを――。
そんな思いで交わされた「楽屋トーク」を、ニュースレターという形で発信していきます。
🔍 Sheepcore
カルチャー、アート、テクノロジー、ビジネスなど、消費者を取り巻く多様なテーマをThe Rest Is Sheepのフィルターを通して紹介します。結論を出すことよりも、考察のプロセスを大切に。
失われた夏を求めて

©️The Rest Is Sheep
はいはいどうもこんばんはー!日曜22:00、じゃなくて今週は変則的に火曜日22:00より始まりましたThe Rest Is Sheep。お盆も終わって9月の足音が迫ってきてる今日このごろ、皆様いかがお過ごしでしょうか?
ちなみにこないだニュースで見たんですが、全国的に30度を下回るのは10月中旬くらいになりそうだとか。暑い時期にやり残したことがある皆さん、まだまだ時間ありますよ(笑)。考えてみたら今年はもう5月とか6月くらいから十分暑かった気もしますし、10月まで30度超えるって、確かに「春と秋がなくなってるんじゃないか」なんて言われるのも分からなくもないですよね。
というわけで、今日のThe Rest Is Sheepは「春と秋がなくなった」話…じゃなくて「夏がない」って話でお送りしようかと(笑)。と言っても、夏そのものが無くなったわけじゃなくて、今年の夏は「これだ!」っていう強烈な音楽とか映画がないんですよね。で、今年の夏を象徴する文化的な盛り上がりが見当たらない、「夏のテーマがない」って話をいろんなメディアがしてて、まあ確かになあって思うところもありまして。そんなわけで、そもそも「夏のテーマ」って何なのよってとこから掘り下げていきましょう。「だったら去年はどうだったんだよ」みたいな疑問についてもね、このあと見ていきますよ!
♪番組ジングル
「◯◯サマー」の系譜
さて、この「夏のテーマ」、もっとわかりやすく言うと「◯◯サマー」とか「◯◯な夏」っていう言葉で形容される現象ですが、いったいいつから始まったんでしょうか。ルーツをたどれば、1967年の「サマー・オブ・ラブ(Summer of Love)」まで遡れるとも言われます。The Beatlesの8枚目のスタジオ・アルバム『Sgt Pepper’s Lonely Hearts Club Band』がリリースされたその年、ヒッピー文化がピークを迎え、10万人もの若者がサンフランシスコに集まって「愛と平和」を掲げた夏——なんですが、そこまで遡っちゃうと大変なので、今回はすいません、50年くらい飛ばします(笑)。
現代的な「◯◯サマー」がフォーマット化したのは実はごく最近、2019年の「ホットガール・サマー(Hot Girl Summer)」からです。これはその年に発売されたMegan Thee Stallion(ミーガン・ジー・スタリオン)の曲のタイトルなんですけど、その影響力は楽曲のヒットそのものを超えて、「自由で縛られない自分を楽しもう」「この夏を自分らしく過ごそう」っていうライフスタイルのキャッチコピーとして機能し、広がっていきます。聴いてみましょう。
「ホットガール」はセクシーでもいいし、オタクっぽくてもいい。どんな自分でも楽しんでいい。「自信を持って、自分らしく。人の目なんて気にしない」っていうメッセージが、SNSで「映える自分」を演じることに疑問を感じ始めてた若者たちの「もっと等身大の自分を肯定したい」っていう思いや2017年の#MeToo以降くすぶってた、女性が自分の身体や欲望をどう語るか、どう表現するかっていう社会的なテーマとも響き合った。
そんな背景もあって、「ホットガール・サマー」はミーム化して拡散して、誰もが気軽に参加できる合言葉として、人々の多面性や自由に生きる権利を祝福する文化的現象にまで成長してったわけです。
これはMaybelline New Yorkのツイート——えっと、このときってまだTwitterはXになってなかったわけですけど(笑)——こうやってブランドも乗っかります。楽曲のヒットが音楽そのものを超えて、夏のライフスタイルや空気感、ヴァイブスを支配する。「ホットガール・サマー」が2019年にその口火を切ったわけです。
Summer 19 in three words: hot girl summer. PERIODT!
How’s your hot girl summer going? 😏
— Maybelline New York (@Maybelline)
2:04 AM • Jul 10, 2019
そして2021年、ここで登場するのがTom Hanks(トム・ハンクス)の息子、Chet Hanks(チェット・ハンクス)。彼が突然「ホワイトボーイ・サマー(White Boy Summer)」の到来を宣言します(笑)。
「なんか直感なんだけどさ、今年の夏は「ホワイトボーイ・サマー」になる気がするんだよね。好きに解釈していいけど、トランプ支持とかNASCAR好きみたいな古いタイプの白人のことじゃないよ。俺とか、Jon B(ジョンB)とかJack Harlow(ジャック・ハーロウ)みたいな白人のノリのこと、わかるだろ?」と(笑)。
I will never stop screaming
— Rap Game Ina Garten (@KaraBTweets)
12:55 AM • Mar 27, 2021
彼なりに「ホットガール・サマー」に思いっきり便乗した「夏のキャッチフレーズ」を考察してみたわけですけど、世間の反応は「いや、わかんねえよ(笑)」と(笑)。白人至上主義を扇動してるんじゃねえの?みたいな誤解も含めて炎上したりネタにされたりしつつ逆にそれがミームとして広がっていった。
っていうわけで、この年の「ホワイト・ボーイ・サマー」はぶっちゃけ不発な感じで終わるわけだけど、Chet Hanksが果たした役割が一つだけあって(笑)、それはインターネット・カルチャーにおいて「毎年夏になると、その年の夏がどんな夏になるかをネット全体でコンセンサス形成しなきゃいけない」っていう雰囲気を方向づけたってことです。これが、翌年以降も続いていく「〇〇サマー」ブームのひとつの地ならしになりました。やるじゃん、Chet(笑)。
2022:ミニオンズ・サマー
そして翌2022年、この夏を象徴したのは「ミニオンズ・サマー(Minions Summer)」でした。映画『ミニオンズ フィーバー』の公開をきっかけに、世界中で巻き起こった現象です。
特に話題になったのが「#Gentleminions」。子どもの頃に『怪盗グルー』シリーズを観て育ったZ世代のティーンたちが、5年ぶり、待ちに待った待望の最新作を前にフォーマルなスーツに身を包み、グルーの真似して手を合わせながら映画館に集まって、バナナを持ち込んだり声を上げたりしながら鑑賞する…っていう謎のパフォーマンス(笑)。一部の映画館ではマナー問題で入場制限をかけるほどの熱狂ぶりでした。
@bill.hirst The Minions are back, and they brought Maccas 🍌🍔 #minions #maccas #gentleminion #DespicableMe4 #suits #fyp #ad
ミニオンズの魅力は、その「意味不明なカオス感」ですよね。有名俳優の声優起用もなく、流行りのポップカルチャーをタイムリーに引用することもない。ただただ、ギャグを次から次へと繰り出すだけ。国境も言葉も越えた、純粋な身体表現によるコメディ。これがSNSのミーム・カルチャーと相性抜群だったわけです。
それが、長引くパンデミックで映画館から足が遠のいていた若者たちの、「やっぱりみんなで集まって楽しみたい!」っていう気分とシンクロしたんですね。
そしてこの波を見逃さなかったのが企業やブランド。A BATHING APEをはじめiHop、ZipRecruiter、Levi’s、Duolingo、Kim Kardashian、Bravo、HelloFresh、Liberty Mutual、CarMax、Target、Roblox、Minecraft、Reebok、Eminem、Tupperware、McDonald’s…さまざまなブランドがこの映画をフィーチャーしたカプセルコレクションを出したりコラボしたりとあらゆる業界が便乗。SNSにはファンアートやリミックス動画が溢れ、映画館を超えた社会現象となりました。
さてここで『ミニオンズ フィーバー』から一曲。Phoebe Bridgers(フィービー・ブリジャーズ)によるCarpentersの『Goodbye To Love』の素晴らしいカバーです。
2023:バーベンハイマー
続く2023年、この年を夏を支配したのは「バーベンハイマー(Barbenheimer)」でした。バービー人形を題材にした明るくコミカルなファンタジー・コメディ『バービー(Barbie)』と、「原爆の父」を描いた重厚な『オッペンハイマー(Oppenheimer)』という、スタイルもトーンも正反対の作風の話題映画が同じ日に公開されるっていう、偶然が生んだ造語ですね。
SNSでは「#Barbenheimer」が大流行。映画館にピンクの衣装で駆けつけたり、一日で二本ハシゴして感想を投稿したり、まるでお祭りのような盛り上がり。
ここでもブランドは即反応します。たとえばZARAやForever21みたいなファッションブランドがピンク尽くしのコレクションを発売したり、AldoやNYXなどのコスメブランドも「バービー・ピンク」のコスメを限定展開。さらにAirbnbはバービーの「Malibu Dreamhouse」を再現して宿泊体験できるプランを提供して話題を呼ぶなど、映画『バービー』のブランド・コラボレーションは100を超えたとも言われてます。

Time
前年の「ミニオンズ・サマー」に引き続き、サマー・ブロックバスターがこの夏のヴァイブスを作り上げました。引き続きコロナ禍で打撃を受けていた映画館に、観客を再び呼び戻す力。ストリーミング全盛で「映像作品は家で観る」のが当たり前になった時代に、「劇場で観る」という行為自体が貴重な体験として再発見されたわけです。
ポップでカラフルな楽しさと同時にフェミニズムやジェンダー規範をめぐる議論を巻き起こした『バービー』と、歴史や倫理をめぐる重厚なテーマを提示した『オッペンハイマー』、エンタメの中にそれぞれ社会的なテーマを帯びた、まったく違う二本の映画が、その需要を完璧に引き出しちゃった。「ミニオンズ・サマー」もそうだったけど、映画が単なる映像作品ではなく、社会的儀礼や集団体験として消費される現代の特性を浮き彫りにした現象でした。
2024:ブラット・サマー
そして2024年は「ブラット・サマー」。Charli XCX(チャーリー・XCX)のアルバム『Brat』をきっかけに、音楽シーンを超えてSNSやライフスタイル全体に広がったムーブメントです。
「ブラット」とは直訳すれば「わがままな子ども」ですけど、ここでの意味はもっと複層的です。白いタンクトップに細いタバコ、3時まで遊んで翌日のことは気にしない──そんな「ブラット的」な振る舞いがSNSでシェアされ、「自分の欲望や感情に正直でいる」ことへの肯定として受け取られました。
注目したいのは、この流れが前年からのちょっとした反動でもあるということ。2023年の「バーベンハイマー」が象徴したのは「楽しさの中にもwokeなメッセージを意識させる」夏でしたが、2024年はその逆、「意味を背負わない楽しさ」「無鉄砲さや自己中心性を肯定する空気」を求めた。『Brat』はまさにその欲望を満たしたんです。
そしてここでもブランドが大活躍。Spotifyは「ブラット・サマー」公式プレイリストを前面に押し出し、音楽フェスやクラブイベントが「Brat」仕様の演出を取り入れるなど、音楽シーンを横断。ファッションでも、Urban OutfittersやDepopを中心に“ブラット風スタイリング”が売り出され、SNS広告にはCharli XCXのネオングリーンを想起させるビジュアルが溢れました。さらに飲料ブランドまでが「Brat energy」や「#BratSummer」キャンペーンを展開するなど、ライフスタイル全般で「ブラット的」気分が拡散していきました。
結果として「ブラット・サマー」は、単なるアルバムキャンペーンにとどまらず、ブランドや企業まで巻き込んだ「2024年の夏のムード」を定義するキーワードになった。つまり、カルチャーとマーケティングが一体化することで、社会全体を席巻する夏の現象へと成長したわけです。
なぜ、すべての夏は「何か」の夏でなければならないのか?
さて、ここまでこの数年の「◯◯サマー」を振り返って来たわけですが、どの年も、音楽や映画といったポップカルチャーのヒットコンテンツがその年その年の社会の空気と共鳴することで夏の大きなヴァイブスを作ってきたわけです。でも、夏になるとなんでみんな「○○の夏」ってラベルをつけたがるんでしょうか。
いまの社会では、昔に比べて「みんなが同じ話題を共有すること」が難しくなってます。昔はテレビやラジオ、新聞など限られたメディアが共通の話題を運び、多くの人がそれらを同時に楽しんでました。「昨日のドラマ見た?」「あの試合すごかったね」ってやつですね。
でも今は、SNSや動画配信サービスがあふれ、それぞれが好きなコンテンツを選んで楽しむ時代です。誰かはNetflixで韓国ドラマに夢中になり、別の人はYouTubeのゲーム実況を追いかけ、また別の人はTikTokでミーム動画ばっか見てる。そんなふうに、同じ「今」を生きていても、見てるものや盛り上がっているものがバラバラ、ですよね。
一方で、「夏」っていう季節には、ほかの季節にはない特別な意味が宿ってます。子どもの頃の夏休み、暑さから逃れるバカンス、自由や冒険の記憶…誰にとっても夏は「思い出をつくる季節」として強く心に残ってる。夏が来ると「今年はどんな夏になるだろう」って自然と期待が膨らむし、何か特別な体験を求めたくなるものですよね。Bryan Adamsの『Summer of ’69』じゃないけど、さまざまな音楽作品や映像作品、文学作品で夏は自己投影や再発見の季節として語られてきました。
だからこそ、人々は夏に大きな「テーマ」を欲しがる。「今年はこれ!」と共通の合言葉を決めることで、バラバラな日常を一瞬でもつなぎ合わて、同じ夏を一緒に楽しんでる感覚を持てるんです。
結局のところ、「○○の夏」ってつけられたラベルに大きな意味があるっていうよりは、みんなで同じものを共有して、一緒に盛り上がるっていう体験そのものが大事なのかもしれないですね。短命でも、一瞬の共感や一体感が夏を特別なものにしてくれる――だからこそ、私たちは毎年「○○の夏」を求めてしまうんでしょうね。
そして、2025年の夏
さて、というわけでやっとたどり着きました2025年の夏。ええと、たどり着いたどころか夏も番組も終わろうとしてますけど(笑)、冒頭にお話したように今年の夏、なんだかこう…去年までみたいなはっきりしたムードが見えないって感じませんか?
では、なぜそう感じるんでしょう?メディアやコンテンツの現状を見るば明らかです。映画館にはリメイクや続編——『ジュラシック・ワールド/復活の大地』、『スーパーマン』、『リロ&スティッチ』、『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』——が並ぶだけ。チャートを賑わす音楽は、感傷的な曲——現時点のBillboardチャートのトップはAlex Warrenの『Ordinary』です——やちょっとしたネットミームで消費されるものばかり。ファッション誌をめくっても、「今年の色」が見当たらない。SNSではAI生成の動画が氾濫し、何がリアルで何が流行なのか分からなくなる。さらに、ニュースはドナルド・トランプの話題が占拠し、カルチャーが入り込む余地も限られてる。
強いて今年の夏にみんなが見たり聴いたりしたものっていうことで言うと、なんですかねえ。これ誰かが言ってましたが「今年の夏一番聴いた曲が「Jet2holidays」のCM曲で良いんだっけ?」と(笑)。これ見たことある人多いと思うんですけど、Jess Glynneの『Hold My Hand』にあわせて「Jet2holidaysに勝るものはない」っていうナレーションが入る旅行会社のCMで。みんながこのCMの音声に乗せて休暇中の災難や予期せぬハプニングの動画をアップする、っていうミームです(笑)。
@lillyycb shoutout to the woman who took her shoes off #jet2holidays #nyc #flashflood #nycsubway
まあ、あとはあんま詳しく説明はしませんがこの夏最大のモノカルチャー的瞬間は「コールドプレイ騒動(Coldplaygate)」ですよね。このあまりにも気まずくて痛々しい出来事が「おすすめ動画」を席巻した。ってたしかに「一体どんな夏やねん」と(笑)。
Business Insider誌はこの夏は「ブレインロット・サマー(Brain Rot Summer)」なんじゃないかって言ってます。もともと「Brain Rot」って、「質の低いデジタルコンテンツに過剰に接することで脳が腐ること」を意味するわけですけど、情報が洪水のように押し寄せ、思考が溶ける感覚。映画も音楽もファッションもSNSも、全部が雑多で押し寄せてくる——だからこの言葉なんだと。
確かに今年ってそんな状況なのかもしれません。…というわけで、2019年の「ホットガール・サマー」から始まった夏のラベリングは、去年までみたいな、カルチャーを席巻するヒットコンテンツにちなんだネーミングじゃなくなっちゃいました(笑)。
でも、私たちがこうやって「今年の夏には何もない」って話をしている、まさにその行為自体が、新しい「○○サマー」を作り出してるのかもしれないですね。つまり、「ブレインロット・サマー」や「何もない夏」について語ること、それ自体が2025年の夏の特徴になってる。メタ的ですけど、「主役不在を嘆く夏」「混沌を受け入れる夏」——これも立派な夏のテーマだと受け入れましょう(笑)。
Chet Hanksの「ホワイトボーイ・サマー」だって結局不発に終わったけど、その「失敗に終わった試み」が翌年以降の「○○サマー」文化を方向づけた。2024年の「ブラット・サマー」は2023年の「バーベンハイマー」の反動的な意味合いも帯びてた。だとすると、2025年の「何もなかった感」も、来年以降の夏のカルチャーに何か新しい影響を与えるかもしれないですよね。
というわけで、そろそろ終わりの時間となりました。何もなかった2025年の暑い季節はまだまだ続きます。あなた以外の他のみんなも「何もなかった夏」を過ごしてるわけで、そんな暑い季節をもう少し楽しんでいきましょう(笑)。では今日はここまで。来週もまたこの時間、じゃなかった日曜22:00にお会いしましょう(笑)。おやすみなさい!
♪Jess Glynne “Hold My Hand”
🎙️ポッドキャストはコチラ!
※ 生成AIが客観的な視点でレビューしています🐏🐕
🐏 Behind the Flock
“Sheepcore”で取り上げたテーマをさらに深掘りしたり、補完する視点を紹介します。群れの中に隠された本質を探るようなアプローチを志向しています。
1. 2025年の夏が近づいてきた。その夏にふさわしい名前が必要だ。
2025年の夏を前に「今年の夏は何と呼ばれるのか」が話題となっている。過去には「ホットガール・サマー」(2019)や「ブラット・サマー」(2024)など、音楽や映画を軸に夏の気分を象徴するネーミングが広がった。背景にはSNSとミーム文化があり、個人の自己表現やコミュニティ形成、ブランド戦略とも結びついている。心理学的には、夏を名づけることは混沌とした社会の中での「文化的脚本」を与え、自由や再生の象徴を演出する行為だとされる。結局、夏のネーミングは集合的ムードを言語化する試みであり、2025年の夏のネーミングもアルゴリズムやブランド、カルチャーの発信者によって決まっていくと見られている。
2. なぜ、すべての夏は「何か」の夏でなければならないのか?
毎年夏になると、アメリカ文化では「何か」の夏を求める傾向がある。2019年の「ホットガール・サマー」、2022年の「ミニオンズ・サマー」2023年の「バーベンハイマー」、2024年の「ブラット・サマー」など、インターネット上で夏のテーマが決まる。2025年も映画監督や音楽アルバム、ファッショントレンドなど多様な候補が浮上したが、明確なコンセンサスは未形成。ブランドやメディアはこうした現象に便乗し、夏の文化を盛り上げる。断片化した現代社会で、共有体験への渇望がこうした動きを後押しするが、マーケティング主導の流行が多く、シニシズムや疲れも生んでいる。
3. 2025年の夏は、どんな夏?
2025年の「◯◯な夏」特集では、「クラッシュアウト・サマー」「セイムガール・サマー」「アメーバボーイフレンド・サマー」など多様な提案が並ぶが、どれも決定的なテーマにはなりきれていない。気候危機や社会不安を映すものから、ノスタルジーや自虐ユーモアまで幅広く提示されているが、時代を象徴する一つの「夏像」は生まれていない。むしろ、その多様さこそが今を映しており、今年は「これが夏だ」と言えるコンセンサスが欠けたまま過ぎていくのが特徴といえる。
🫶 A Lamb Supreme
The Rest Is Sheepsが日常で出会った至高(笑)の体験をあなたにも。
※今週はお休みです
すべての誤字脱字は、あなたがこのニュースレターを注意深く読んでいるかを確認するための意図的なものです🐑
この記事が気に入ったら、大切な誰かにシェアしていただけると嬉しいです。
このニュースレターは友人からのご紹介でしょうか?是非、ご登録お願いします。
↓定期購読はコチラから↓