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Baa,Baa,Baa. | Week of Jan 5, 2026
【Weekly Picks】力士とヘアスタイリストの間には、何人たりとも入り込めない
カルチャー、アート、テクノロジー、ビジネス、そしてデザインやライフスタイル、ファッションやメディア──日々、私たちの周りでは何が起きていて、それは一体どんな意味を持つのでしょうか。
The Rest Is Sheepの2人が刺激を受けたストーリーを、私たちならではの視点を交えてお届けします。
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🐏 Baa,Baa,Baa.
Weekly Headlines
力士とヘアスタイリストの間には、何人たりとも入り込めない
『KPop Demon Hunters』オーラルヒストリー
アジアの新たな食の都へと変貌しつつある台北
週7万ポンドの肉を捌く老舗デリの秘密
90年代モールブランドの復活
レゴ、50年で「最も重要な進化」となるスマートブリックを発表
1. 力士とヘアスタイリストの間には、何人たりとも入り込めない
相撲力士の象徴である髷(まげ)は、17世紀の武士階級に起源を持つ伝統的な髪型だ。一般社会では廃れた後も相撲界では神聖な伝統として守られてきた。現在、日本の現役力士は約600人で1994年のピーク時より減少しているが、観客動員は好調で、2024年には全ての大相撲本場所でチケットが完売した。国内外の注目が高まり、ロンドンでの興行も成功を収めている。その伝統を支えるのが床山と呼ばれる専門の髪結い師だ。日本相撲協会に所属する床山は46人。43年のキャリアを持つ床岳は、東京の九重部屋で毎日20人の力士の髪を結う。髪を整えることから始まり、椿油と櫛を使って40~45センチの髪を束ね、和紙の元結で固定する。力士の髪には力士本人と床山以外は触れることができない。髷が緩すぎれば解け、きつすぎれば頭痛を引き起こすため、絶妙な力加減が求められる。基本の丁髷(ちょんまげ)は10分以内で完成するが、十両以上の力士が結うことができる大銀杏は鉄製の髷棒(まげぼう)を使った複雑な工程を要する。床岳は父の勧めで15歳から床山の道に入った。当初は不器用で何度も辞めようと思ったが、数年後にコツを掴み、やりがいを感じるようになった。力士が連敗している時は髷の形を微調整し、勝利に貢献できたと感じる瞬間が最大の喜びだという。力士にとっても髷は精神状態に影響する重要な要素であり、床山と力士の間には長年の対話を通じた信頼関係が築かれている。
2. 『KPop Demon Hunters』オーラルヒストリー
世界的なヒットを記録したNetflixアニメ映画『KPop Demon Hunters』は、K-popスターが同時に悪霊ハンターとして活動するという斬新な設定の物語。監督のMaggie Kangが9年越しで温めたこの企画は、韓国の伝統的なシャーマニズム、ムーダン(무당)と現代のポップカルチャーを融合させたもので、今やアカデミー賞候補にも挙がる社会現象となっている。制作陣が最も重視したのは「韓国文化の徹底したリアリティ」だ。従来の欧米アニメには少なかった「魅力的で多面的なアジア系キャラクター」を描くため、伝統衣装とハイファッションを組み合わせた衣装デザインや、リアルな韓国料理の描写、そして精神的な繋がりを意味する造語「ホンムーン(honmoon)」という概念を導入した。特に、チャートを席巻した劇中歌「Golden」は、ビルボード級のポップソングを目指し、8回もの改稿を経て誕生した。歌唱を担当したシンガーソングライターのEJAEは、伝統音楽「パンソリ(판소리)」の技法を盛り込むことで、キャラクターの葛藤と力強さを表現している。本作は、完璧を求めず自分自身を受け入れるという普遍的なメッセージにより、人種を超えたファン層を獲得した。Netflix史上最高の視聴数を記録しただけでなく、ソウルの国立中央博物館の来館者数を倍増させるなど、現実世界にも多大な影響を与え続けている。
3. アジアの新たな食の都へと変貌しつつある台北
台湾はタピオカミルクティー発祥の地であり、鼎泰豊に代表される小籠包文化、さらには世界各地に影響を与えた夜市文化など、もともと強い食のアイデンティティを持ってきた。そしてその首都、台北は今、アジアを代表する美食の都へと急速な変貌を遂げようとしている。伝統的な夜市が賑わいを見せる一方で、街は「文化的な実験場」と化しており、古い街並みと前衛的なアート、伝統的な茶屋と洗練されたバーが共存する、東京以上の意外性に満ちたダイナミズムが生まれている。この進化を後押ししているのは、Nvidiaに象徴されるハイテク産業の躍進と、2025年上半期に前年比10%増を記録した観光客の急増だ。これに伴い、Capella Taipeiなどの高級ホテルが続々と開業し、2026年にはフォーシーズンズの進出も控えるなど、ラグジュアリーなインフラ整備が加速している。食の現場では、伝統的な牛肉麺やスパイス文化を継承しつつも、ミシュラン二つ星を獲得した「A」のような革新的なフレンチや、茶の儀式に着想を得たカクテルバーなど、グローバルレベルのガストロノミーが台頭。2026年には桃園国際空港の拡張も完了し、世界各地からのアクセスがさらに向上する。伝統を重んじながらもグローバルな感性を取り入れ続ける台北は、今、世界中の食通が最も注目すべきデスティネーションとなっている。
4. 週7万ポンドの肉を捌く老舗デリの秘密
ニューヨークのロウアー・イースト・サイドに1888年から続く老舗ユダヤ系デリKatz’s Delicatessenは、名物のパストラミサンドイッチを中心に、1週間で約70,000ポンド(約31.8トン)の肉をさばき、繁忙期には1日で約4,000人の客を接客する。その背景には、伝統的な調理法と徹底した準備、チームワークがある。早朝からスタッフ約30名が出勤し、長時間かけて塩漬け、燻製、蒸し、煮込みといった伝統的手法で、パストラミやコンビーフなどの肉を仕込む。こうして柔らかく仕上がった肉は、機械でなく熟練のカッターが注文ごとに手で切ることで、風味と食感を最大限に引き出す。店内では、入店時に渡されるチケットを使い、数か所のカウンターで注文を進めていく仕組み。これにより混雑時でも客の流れを維持し、多様なメニューを提供しながら効率的に回転させている。カッターは通常5〜10年以上の経験を積んだベテランで、8つのステーションが稼働し、1人で1日に200〜250のサンドイッチを作ることもあるという。このように 継承された技術・組織力・顧客体験の設計が組み合わさり、Katz’sはただの人気店ではなく「ニューヨークの文化的象徴」として現在も高い支持を受け続けている。
5. 90年代モールブランドの復活
90年代に全盛期を迎えたアメリカのモールブランドが、2025年に復活の兆しを見せている。その象徴がGapだ。新進ガールグループKatseyeとのデニムキャンペーンや、Sandy Liangなど、話題ブランドとのコラボレーションが話題を呼び、7四半期連続でプラス成長を達成した。同社CEOは、SKUの削減と品質向上により「懐かしさと新鮮さ」を両立させたことが成功の鍵だと語る。Gapだけではない。Victoria’s Secretもファッションショーの復活やデザイナー起用で売上を伸ばし、Bath & Body Worksは経営陣を刷新するなど、老舗モールブランドの再起が続く。消費者の90年代ノスタルジアが、こうしたブランド復活を後押ししている。しかし、真の復活への道は平坦ではない。百貨店の閉店が続くなどモール文化自体が衰退しており、路面店展開でシェアを伸ばすSkimsのような新興勢力が脅威となっている。Gapは美容事業への再参入を計画するなど新たな成長戦略を模索しているが、消費者の関心が早くも2010年代の流行へ移りつつあるとの指摘もあり、変化し続けるトレンドへの適応力が試されている。
6. レゴ、50年で「最も重要な進化」となるスマートブリックを発表
レゴグループはCES 2026にて、「1978年のミニフィギュア誕生以来、最も重要な進化」と位置づける、コンピュータ内蔵の「スマートブリック(Smart Brick)」を発表した。2026年3月1日より、アナログなプラスチック製ブロックやフィギュアを、テクノロジーを活用したインタラクティブに遊べるものへと発展させる「スマートプレイシステム」のコアとなるパーツとして市場に投入される。この新ブリックは、従来の2×4ブロックのサイズに超小型のカスタムASIC(特定用途向け集積回路)や各種センサーを凝縮したもの。NFC技術によって専用タグを持つミニフィギュアやタイルを検知するほか、Bluetoothメッシュネットワークを通じて複数のブリックが互いの位置や向きを認識し、キャラクターを特定の場所に置くと劇中の音楽が流れたり、機体の動きに合わせてライトセーバーが光り、エンジン音が鳴ったりと、物理的なアクションに即したリアルタイムな反応を楽しめる。技術面では、加速度・傾斜センサーやワイヤレス充電機能を備えつつ、カメラやAIをあえて排除することで子供のプライバシーにも配慮。マイクは録音ではなく、息を吹きかけるなどの音入力を検知する「仮想ボタン」として機能する。第一弾は『スター・ウォーズ』の3セットで展開される。同社はこの技術を一時的な実験ではなく、将来的にポケモンシリーズなどへも拡大させる構えで、デジタルと物理的な構築が高度に融合した、レゴの次世代スタンダードを目指している。
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