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#052_Sheep 高価で曖昧なロンジェビティの世界

年間600万円のジムのパーソナル・プログラムから21万円のアンチエイジングクリームまで、いま世界中で「ロンジェビティ(longevity)」を謳ったサービスが急拡大している。かつて中年男性の飲み会といえば病気自慢が定番だったが、今や健康法やサプリメントの自慢合戦に様変わり。背景にあるのは、従来の「モノを所有する」富の象徴から「自分の身体と時間をコントロールする」新しいステータスへの価値観の転換だ。テクノロジーで老化に挑むハイテク派と、昔ながらの生活習慣を重視するローテク派に分かれながらも、その定義の曖昧さゆえに様々なプレイヤーが参入し「第二のウェルネス」として機能するロンジェビティ市場の実態に迫る。

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高価で曖昧なロンジェビティの世界

©️The Rest Is Sheep

はい、では時間になりましたので今日の講義を始めましょう。

実は先日、40代から60代くらいのおじさんたちが集まるようなちょっとした仕事の会食に行ったんですが、おもしろいなあって思うことがありまして。昔、中年男性の飲み会の話題といえば、病気自慢、不健康自慢が定番って言われてましたよね(笑)。「健康診断でγ-GTPの数値がヤバくてさ」とか「ついに痛風の発作きちゃったんだよね」とか。

でも、こないだはちょっと違ったんですよね。みんな、健康のために「あれやってる」「このサプリ飲んでる」のオンパレード(笑)。まるで、健康のための最新ガジェットやサービスを自慢し合う場になっていて。で、興味深かったのが、その中で何人かが「ロンジェビティ(longevity)」っていう言葉を口にしてたことなんです。

「ロンジェビティ」——聞いたことありますでしょうか?直訳すると「長寿」とか「長生き」っていう意味ですが、最近は「健康的に長く生きる」「身体を最適化する」といった意味を込めて、あちこちで耳にするようになりました。

今日お話しするのは、現代社会における「ロンジェビティ」を巡るトレンドについて。なぜいま、この言葉がここまで広まっているのか。一見ただの健康ブームに見えるこの現象の裏に、どんな価値観の変化やビジネスの動きがあるのかを見ていきましょう。

 

 

ロンジェビティ・ビジネスの台頭

まず現状を整理してみましょう。いま、世界中で「ロンジェビティ」を謳ったサービスが爆発的に増えています。

象徴的なのが、2024年にアメリカの高級ジムチェーンEquinoxが、ヘルスケア・スタートアップのFunction Healthと組んで始めたパーソナライズ型のロンジェビティ・プログラム「Optimize by Equinox年会費はなんと4万ドル(約600万円)。100種類以上のバイオマーカーを毎年チェックして、心臓や肝臓の機能、栄養状態、ホルモンバランスなどを細かく分析。そこから専門家チームが「あなた専用」の健康プランをつくり、パーソナルトレーニング、栄養指導、睡眠コーチングまで含めたサポートを週3回ペースで提供します。

さらに、プログラム参加者には リング型のスマートデバイスOura Ringが配布され、心拍数や睡眠の質、活動量、ストレスレベルを日々モニタリング。データはアプリに蓄積され、トレーナーやコーチがそれを元にアドバイスをくれる仕組みです。

医療の領域だった「治療」から、「予防」や「最適化」へ――そのシフトをラグジュアリーなかたちで引き受けるのが、Equinoxのようなハイエンド・ジムなんです。富裕層の「長寿」や「ベストなコンディションで年齢を重ねたい」というニーズに応えるサービスとして、大きな注目を集めています。

 

 

ラグジュアリーと結びつくロンジェビティ

この流れは、フィットネスにとどまりません。ホテルやビューティブランドも次々とこの市場に参入し、ロンジェビティを「新しいラグジュアリー」として売り出し始めています

まずホテル業界。ポルトガル南部アルガルヴェのLongevity Health and Wellness Hotelは予防医療やアンチエイジング、デトックス、ストレスケアを組み合わせた総合プログラムを提供。まるで「滞在型の健康ラボ」です。また、ロンドンのCorinthia Hotelは再生医療の研究機関London Regenerative Instituteと提携し、エピジェネティック(遺伝子)検査や高気圧酸素療法、フェイシャルやボディの再生治療を「宿泊の延長」として提供しています。ホテルに泊まること自体が「老化をゆるめる旅」になるわけです。

こうした試みは、近年「ロンジェビティ・トラベル」「ロンジェビティ・ツーリズム」と呼ばれる領域にもつながってるんですが、こうした動きは、従来の旅行への根本的な疑問から生まれているとも言われていて、非営利のウェルネス研究機関Global Wellness InstituteのBeth McGroartyさんは「食べ過ぎ、飲み過ぎ、睡眠不足——100年続いた「行き過ぎた休暇」モデルへの強力な疑問から生まれた」と指摘しています。確かに、観光地で暴飲暴食して帰ってくる旅行って、「休暇前より疲れて帰ってくる」のが定番でしたよね(笑)。

一方で現代の一部の旅行者たちは、「世界を楽しむためには、ある程度の健康と体力が必要だ」と考えるようになっています。ヨーロッパの石畳を歩き、インカ・トレイルをハイキングし、紅海でシュノーケリングを楽しむ——そんな積極的な旅を続けるためには、自分の身体をメンテナンスし続ける必要があるわけです。

つまり休暇や観光と長寿、健康が密接に関連してくるのはある種の必然なんですね。こうした「休暇とメンテナンスの融合」は新しいライフスタイルとして注目を集めています。従来の「温泉でのんびり」から一歩進んで、科学と癒やしを同時に体験する旅、と言えばイメージしやすいでしょうか。

そしてビューティの世界も、この「長寿」ブームをしっかりキャッチしています。Diorは2024年、50mlで約21万円という「L'Or de Vie La Crème(ロード ヴィ ラ クレーム)」を発売。何十年もの長期にわたり熟成を続けるシャトー・ディケムからインスピレーションを得て、黄金の葡萄(Golden Grape)の新芽の樹液、そして貴腐菌に由来する複合成分「ゴールデン・ドロップ・ライフ・テクノロジー」が、肌の「ロンジェビティシステム」を支えると謳っています。

ちなみにDiorは2025年8月に、ニューヨーク五番街の旗艦店の最上階に ブランド初となる米国常設スパ「Dior Spa New Yorkをオープン。肌診断デバイス「Dior Measurements」でコラーゲンや水分量、弾力性などを細かくチェックし、冷却レーザー、超音波、マイクロカレント、クライオセラピー、酸素注入など、肌状態に応じて最適な機器とDior製品を用いながら熟練セラピストがオーダーメイドでフェイシャルケアを行っています。

Dior Spa New York

「あなた自身の感覚やメンタルヘルス、肌の状態、そして健康で幸せに年齢を重ねていく方法にフォーカスしています」――Diorのビューティ部門、Parfums Christian DiorのCEO、Véronique Courtoisさんがこう語るように、Diorは、単なるスキンケアや美容の施術を超えて、「自分の時間と老い方を、いかにデザインするか」という価値を提供しようとしているわけです。

ここまで見てくると、なぜ「ロンジェビティ」が医療や健康の枠を超えて「ラグジュアリー体験」のキーワードになったのかが見えてきます。

年間600万円のジムプログラムは、単なる健康管理ではなく「自分だけの専門家チーム」を手に入れる優越感を提供している。滞在型ホテルでの遺伝子検査は、ただの旅行ではなく「科学的に自分を知る」という知的好奇心を満たす体験になっている。そして21万円のクリームは、ただのスキンケアではなく「時を止める魔法」を手に入れたという物語を売っているわけです。

つまり、ロンジェビティ・ビジネスは「健康になる」という結果だけでなく、「特別な自分になる過程」そのものを商品化しています。自慢とも相性がいいわけですね(笑)。そして、従来の医療が「病気を治す」ことにフォーカスしていたのに対し、ロンジェビティは病気になっているわけではない人たちに対して「理想の自分をデザインする」という、より創造的で個人的で特別な体験を約束しているんです。旅先での検査やセラピー、ラグジュアリースパでの特別な施術、そして一滴の高級クリームまでが、「老化をゆるめる」という物語をまとうようになっています。

 

 

成長する「ロンジェビティ市場」

数字を見ると、この現象のスケールがはっきりします。Global Wellness Institute によると、世界のロンジェビティ産業は2025年末までに 6,100億ドル規模に達すると予測されています。また、アメリカだけでも、すでに800以上の「ロンジェビティ・クリニック」が稼働してると言われています。

しかもこれ、富裕層だけの話じゃないんです。McKinseyの2025年の最新レポート「Future of Wellness」によれば、エリアを問わず世界各地の消費者の最大60%が「健康的な老化」を「最重要」または「非常に重要」な優先事項と回答しています。

背景には人口動態の変化があります。世界保健機関(WHO)によれば、2015年から2050年にかけて、世界の60歳以上の人口比率は12%から22%へと倍増する見込み。高齢化は避けられない現実だからこそ、人々は「どう健康に年を重ねるか」を真剣に考え始めているんですね。

 

ロンジェビティのステータス化

では、なぜ「健康」や「長寿」がここまでラグジュアリーと結びつくのでしょうか。背景にあるのは、「何を所有しているか」から「どんな体験をし、どれだけ自分をコントロールできているか」へとステータスの基準が移行していることです。

ファッションや美容ブランドが次々とロンジェビティ市場に参入するのもその流れの一環です。かつて富の象徴は高級バッグでしたが、これからは「どんな治療を受けられるか」「老化をどこまで制御できるか」が地位を示す要素になるかもしれません。

文化のシフトはすでに始まっています。冒頭お話した「病気自慢」の話と同様、以前は「寝る間も惜しんで働いている」や「死ぬほど忙しい」が自慢でした。ところが今は、スマートウォッチで8時間の睡眠を記録し、それをSNSに上げる方が「イケてる」という空気感があります。

「Live fast, die young」というロックンロールな価値観が色あせ、代わりに「長く、良く生きる」が憧れの対象になった。――つまり、老化を遅らせ、時間をコントロールすることこそが、現代における究極のラグジュアリーとして位置づけられているんですね。

 

 

2つのアプローチ:ハイテクVSローテク

とはいえ、ロンジェビティを目指す道はひとつではありません。Future LaboratoryのAlex Hawkinsさんが指摘するように、ここには対照的な2つのアプローチがあります。

一つは「ハイテク・個人最適化型」テクノロジーと科学を駆使したアプローチで、個人が自らの老化プロセスを理解し最適化するために、多額の資金と技術を積極的に投入するものです。

その象徴的な人物が、Netflixドキュメンタリー『Don't Die: The Man Who Wants to Live Forever』のメインキャストでもある48歳のテック起業家Bryan Johnsonさんです。彼は2021年以降、自分の身体を取り戻すためのバイオハッキングに年間200万ドル——約3億円——を投資していると公表しました。毎日50種類以上のサプリメントを摂取し、遺伝子治療を受け、なんと当時17歳の息子を含む若い人からの血漿を輸血する、まさに「未来的で不気味な戦略」でも話題になりました。

一方で、その対極のアプローチが「ローテク・生活習慣型」です。ここでの長寿の秘訣は実に「基本に立ち返った」もので、コミュニティとの強いつながり、加工度の低い食事、自然との接触——つまり、ハイテクとは正反対のシンプルなライフスタイルなんです。

健康で長寿な人々が数多く居住する地域の総称「ブルーゾーン(Blue Zone)」についての研究もこのアプローチに含まれますが、こちらもNetflixのドキュメンタリー『Live to 100: Secrets of the Blue Zones』で取り上げられました。

Live to 100: Secrets of the Blue Zones (Netflix)

この対比は象徴的ですよね。片や数億円をかけてテクノロジーで老化と戦う男性、片や昔ながらの生活で自然に長寿を実現するコミュニティ。どちらが「正しい」のか、それとも両方とも有効なのか——この問いは、現代のロンジェビティ議論の核心でもあります。

でも実は、ここでもう一つ大きな問題が浮上するんです。そもそも私たちが「ロンジェビティ」と呼んでいるもの、その定義自体が実は非常に曖昧なんですね。

 

曖昧なロンジェビティ

「ロンジェビティ」って、結局何なんでしょうか?実は、この言葉には明確な定義があるようでないんです。業界の中ではざっくり、次の4つの意味がごちゃまぜに使われています。

  • 寿命延伸(Extending Lifespan):文字通り、「できるだけ長く生きる」こと。現在アメリカの平均寿命は78.4歳ですが、これを20〜30年延ばそうという野心的な領域です。

  • 健康寿命の延伸(Extending Healthspan):病気になる期間を減らし、健康でいる期間を延ばすこと。これは従来の予防医学に近いですが、「ロンジェビティ」というブランディングで「特別感」を演出しています。

  • 身体最適化(Body Optimization):いわゆるバイオハッキング。体力や認知機能を向上させ、パフォーマンスを最大化すること。

  • アンチエイジング(Anti-Aging):見た目や機能の老化を遅らせること。実質的には美容整形や美容医療の新しいラベリングですね。

The Business of Fashion

でも、この曖昧さこそが、高額プログラムや製品が雨後の筍のように出てくる理由の一つでもあります。何でも「ロンジェビティ」と名付ければ、それっぽく聞こえてしまう。実際、ポッドキャストで専門家や著名人が「この成分には老化を防ぐ可能性がある」と語ったのをきっかけに、その成分を使ったサプリやドリンクを手がける企業が、自らを「ロンジェビティ関連企業」と名乗る例がよく見られます。Novosの創業者Chris Mirabileさんは、「単なる巧妙なマーケティングで、消費者を利用しているにすぎない」と指摘します。

一方で、慎重なブランドもあります。冒頭で紹介したEquinoxは、「寿命を延ばすとは約束しない」と明言しており、彼らが定義するロンジェビティは「活力と幸福感」に重点を置いているとしています。Soho HouseのSoho Health Clubも、言葉としての「ロンジェビティ」を前面に出さず、「健康最適化」や「ウェルネス」と表現しています。

さらに、Dorchester Collection傘下のホテル、Coworth Parkのスパリニューアルに際し、ウェルネス&スパ部門のグローバル責任者、Teresa O’Farrellさんは「私たちもこのテーマについて語ることはありますが、バズワードだから扱っているわけではありません」と話しています。

つまり、一部のプレイヤーたちは「ロンジェビティ」という言葉の過度な使用を避け、代わりに「健康最適化」や「ウェルネス」といった、より控えめで実現可能な目標にフォーカスを当てています。言葉が独り歩きするリスクを避けつつ、消費者にとっても現実的な価値を提供する――これはある意味で賢明な判断かもしれません。

そして、この構図はどこかで見覚えがありますよね。まさに「ウェルネス」という言葉がブームになったときと同じです。ヨガマットからセルフケア・キャンドルまで、あらゆる商品に「ウェルネス」が冠されました。ロンジェビティもまた、その広がりのなかで「第二のウェルネス」として機能しているのかもしれません。

 

 

ロンジェビティの未来

さて、今日の講義を振り返ってみましょう。私たちは、ロンジェビティという言葉が単なる「健康」や「長寿」の願望を超え、資本やテクノロジーの力である種の「ラグジュアリーな商品」として再編されつつある現実を見てきました。高額プログラムやパーソナライズされたスパ体験、最先端の美容製品——それらはすべて、時間を少しでも「自分の手でコントロールする」ことを可能にするという物語をまとっています。

一方で、EquinoxやSoho Houseのように、言葉を慎重に扱い期待値をコントロールするブランドも存在し、ロンジェビティの「夢」と「現実」の間で揺れる市場の多様性も見えました。

ロンジェビティはただの健康ブームでも美容トレンドでもなく、人類共通の願望と資本主義的イノベーションが交錯する現代ならではの文化現象なんです。この現象は、私たちが「老い」や「時間」をどう捉え、どう価値づけるかという、より深い問いを突きつけているとも言えるでしょう。

そして興味深いのは、この「時間をコントロールする」という欲求自体が、実は現代社会特有のものかもしれないということです。いまの私たちは、抗うことのできない老いさえも「最適化」の対象として見るようになっています。これは進歩なのか、それとも新しい形の強迫観念なのか——その答えは、おそらく私たち一人ひとりが自分の人生の中で見つけていくものなのでしょう。

でも、冒頭でお話しした飲み会のおじさんたちのことを思い出してみてください。γ-GTPの数値を自慢していた時代から、今度はロンジェビティの最新サービスを自慢する時代へ。結局のところ、男性の飲み会の「自慢ネタ」は変わらないんですね(笑)。ただ、病気自慢から健康対策自慢に変わっただけ。人間の承認欲求って、本当に不変ですね(笑)。それでは今日はここまで。お疲れさまでした!

🎙️ポッドキャストはコチラ!
※ 生成AIが客観的な視点でレビューしています🐏🐕

🐏 Behind the Flock

“Sheepcore”で取り上げたテーマをさらに深掘りしたり、補完する視点を紹介します。群れの中に隠された本質を探るようなアプローチを志向しています。

1. Equinoxの4万ドルのメンバーシップは本当に長寿につながるのか?

高級ジムEquinoxが、年会費4万ドルの長寿プログラム「Optimize」を開始。Function Health社と提携し、血液検査などのバイオデータを基に、個別栄養・睡眠・フィットネス指導を提供。目標は「健康寿命」の延長で、100歳まで健康に生きる支援を目指す。内容は、Functionの血液検査(通常499ドル)、Equinox会員(年3600〜6000ドル)、Ouraリング(299ドル〜)に加え、月16時間のコーチング(週3回のトレーナー、月2回の栄養・睡眠相談、マッサージ)。主にパーソナライズされた管理サービスが価値。しかし一部の専門家は効果に懐疑的だ。運動、健康的な食事、十分な睡眠が長寿に重要なのは確かだが、どのような運動が最適かは不明で、血液検査の結果をもとに一人ひとりに合わせた健康管理プランを作ることが、どれほど効果的なのかも疑問視する声もある。

2. ロンジェビティという不透明で高額な世界の実態

「ロンジェビティ(Longevity)」マーケットは寿命延伸から健康寿命延伸、パフォーマンス向上、アンチエイジングまで幅広く、明確な定義がないまま成長している。寿命を20〜30年延ばすと謳うサプリや、血漿交換、幹細胞療法などの施術も広がる。美容分野でも「アンチエイジング」が「スキン・ロングジェビティ」へと進化し、ボトックスやGLP-1系薬まで包含されている。科学的根拠が乏しいサービスや過剰な宣伝も多く、消費者には「時間」という新たなラグジュアリーをどう見極めるかが問われている。

3. ロンジェビティこそが新たなラグジュアリーだ

ラグジュアリー・ホスピタリティは今、「ロンジェビティ」を軸に新たな価値を描き始めている。ウェルネスが広く心身の健康を扱うのに対し、ロンジェビティは科学的知見と快適さを結び付け、人生をより長く・良く生きる体験を提供する領域だ。富裕層向けのリトリートでは幹細胞療法や全身MRI、再生医療を含む滞在が数万ドルで人気を集める。SHA WellnessやSix Senses Londonの事例に見られるように、光や音、空間設計を通じて活力を支える取り組みも進む。ロンジェビティは医療モデルの延長ではなく、感情に響く環境づくりとして発展し、ホスピタリティの未来を飲み込みつつある。

🫶 A Lamb Supreme

The Rest Is Sheepsが日常で出会った至高(笑)の体験をあなたにも。

※ 今週もお休みです。

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